この番組を知らない方は、タイトルだけを見てどのような番組を想像されるのだろうか。アニメ?特撮?はたまたバラエティー番組!?
もしこの3つのジャンルが思い浮かんだ方は、勘がいい。『FNS地球特捜隊ダイバスター』にはこの3つすべてが当てはまる。
内容は、簡単にいえば「身近なくだらない疑問」について調査・解明をするという番組。先日レギュラー放送を終えた『トリビアの泉』の1コーナー「トリビアの種」をもっとチープかつシュールにしたような感じだ。
たとえば、先日放送された「第49話ダイバスター! くまんばちの奇跡」では、「電車のつり革でおむすびを作る」「ひじきをつけまつ毛にする」など、シュール、というよりも万人受けをわざと避けたような検証をやっている。
博士の強引な「お題発表」が笑える
こう書くと単なるバラエティと思われそうだが、最初に書いたようにこの番組は「アニメ」でもある。疑問の検証をするのが、いかにもなアニメのキャラクターなのだ。
調査のシーンは実写との合成で、おまけにそのアニメはすべて使い回し。主題歌が最初と最後にあったり……で本編は正味15分くらいしかないのだが、「ネタ振り」部分でのアニメ・キャラクターの会話がムダに長い。
でも、1年以上やって声優さんも(私も)慣れてきたのか、この会話が結構笑える。なかでもベテラン声優の銀河万丈演じる“博士”の強引なキャラクターが面白い。いつも博士が「検証のお題」を発表するのだが、最初はモラルとか環境などの社会問題を引き合いに出しているにもかかわらず、結局はすごいくだらないお題を出してくる。
この落差に快感を覚えてしまったら、あなたはもうこの番組の虜といって過言ではないかもしれない。
壊れた「便器」をジグソーパズル的に「修復」
ちなみに「特撮」とも書いたが、「ダイバスター」では隊員(アニメだけど…)が乗るマシン(4号まである)をミニチュアで撮っている。でもこのマシンは、番組の演出担当が渋谷の東急ハンズで素材を買ってきて手作りしたものらしい。とにかく安上がりなのだ。
なんてスタッフに優しい(楽な…)番組なんだろう、と思ってしまう。ただしADさんは結構酷で、たとえば2階から落として壊した「便器」をジグソーパズルに見立てて「修復」させられたりしている。そして検証の結果、オチがイマイチだったとしても、「某大事典」とは違って容赦なく放送してしまう。そこがかえって面白い。
そんな感じで見どころが多い「ダイバスター」。ロマンが詰まっている。