「家族に残した傷は想像を絶する深さ」

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   「正月早々、こんなことがあるんだろうかというような事件が渋谷で起きました」

   小倉智昭がこう紹介したのは、東京・渋谷区の住宅街で発生したショッキングな殺人事件だ。21歳の男子予備校生が20歳の妹を殺したあと、遺体をバラバラに切断してポリ袋につめ、自室のクローゼットに隠していたという。新年早々の朝っぱらからこんなグロテスクなニュースを見せられると、気分が悪くなってしまう。

   番組では、事件の概要を伝えたあと、なぜ予備校生の兄が妹を殺害したのかという動機に焦点をあてた。これまでの警察の調べによると、妹に「わたしには夢があるけど、ゆうくん(兄)にはないね」となじられたのが殺害のきっかけだったそうだ。

   祖父も両親も歯科医という歯科医師一家の中で、2度大学受験に失敗している内向的な兄に対して、「女優になるのが夢」だった社交的で明るい妹。そんな妹が何気なく放った言葉がむごい事件の引き金だったのか?

   ゲストの山崎元は「あまりに的確に追い詰めすぎちゃったのかな。ちょっとかわいそうな感じもする」と、兄に少し同情する姿勢も見せた。しかし、小倉は「今までも『こいつ消したい』と思ったことがあったかもしれない。殺したあとに切断して処理してというのは、とっさの犯行だったらやらないでしょ?」

   まだ兄は逮捕されたばかりで動機の解明はこれからだから、小倉や山崎のコメントはあくまでも推測にすぎない。しかし、小倉が沈痛な表情でしめくくった言葉だけは間違いない。

   「(事件が)このご家族に残した傷は想像を絶する深さがありますよね」

文   小太郎
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