番組冒頭でキャスター、小倉智昭が、役人の無責任ぶりに「今朝は怒っていることが2つあります」とぶちまけた。
1つは、過去5年間に建築確認された新築の中層マンション221棟の調査結果だ。15棟に強度不足の恐れが分ったが、いずれも自治体や民間検査機関の審査を通ってきておリ、小倉はズサンな制度を放置してきた国土交通省の責任に怒った。
もう1つは、厚生労働省の委託を受けて公的年金の積立金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人が、保有していたライブドア株下落で48億円の損失を出したこと。同法人は、責任はライブドアにあるとして損害賠償を求める訴訟を27日東京地裁に起こしたが、実際にライブドア株を購入したのは同法人からさらに“孫請け”みたいに委託を受けた信託銀行。これでは同法人の存在意義などないではないかという怒りだ。
ゲストのノンフィクション作家、岩上安身は「国は、耐震強度偽装の姉歯秀次被告個人の責任で済まそうとしている」。同じく、女優の眞鍋かをりも「年金の運用についても国は人のせいにしようとしている」とキツい一撃。
「一言でいうとアマチュアなんじゃないですか」
メインニュースは、架空事務所疑惑をめぐる佐田玄一郎・行政改革担当相の辞任で“耐震強度不足”が囁かれ始めた安倍政権を取り上げた。
佐田議員は、「安倍晋三を支える会」の会長でその論功行賞で大臣に就任できたといわれている人だが、ゲストの政治アナリスト、伊藤惇夫は「佐田という人は押し掛け支持者だったのです。そういう人を大臣に据える甘さ、脇の甘さが見える。一言でいうと、(安倍政権は)アマチュアなんじゃないですか。年を越えてこういう状態が続くと、危険ラインにますます近づくことになる」と安倍政権に厳しい見方。
眞鍋も、女の鋭い直感で「安倍さんは総理に就任する前と後ではイメージが違ってきましたね」。
波乱含みの2007年、亥年。安倍政権は危険水域に猪突猛進してしまうのかどうか。
このところ『とくダネ!』は、積み込み過ぎの帰省列車のようだ。今朝も、メインニュースは「佐田行革担当相の辞任」で始まり、「暖冬でスキー場悲鳴」、『とくダネ!TIMES』で「ホワイトカラー・エグゼプション」、「1000人が選ぶ今年のトップニュース-スポーツ編」、「芸能人・今年の言い訳大賞」、「母子加算廃止」と続いたほか、全日本女子フィギュア開幕、全日本バレー代表の益子真美の結婚と盛り沢山。
一年の締めくくりとして恒例の番組もあり、やむを得ないだろうが、年の瀬の早朝から「男性同行のホテル入りが発覚した女優の言い訳」や「その逆のケースの言い訳」などはごめん被りたい番組だ。「引き剥がす」ことの必要さも考えてほしい。