06年私のベスト1といえばこれ。でも視聴率的にはイマイチだったのかな。周りの人は誰も見ていなかった。絶対よいから、レンタル屋さんで見つけたらぜひ見てみて!
主人公のヤス子(小林聡美)は航空会社のグランドホステス。人生あきらめちゃって今や老後の年金だけが楽しみ、引きこもりの弟(武田真治)とひっそり暮らしている。そんな彼女のもとに10年前旅客機ごと行方不明になった親友と恋人が、時空を飛び超えて突然帰ってくる。自分は10歳老けたのに、彼らは昔の姿まま。そりゃ顔見られるのもシンドイって。生きる意欲も仕事への情熱も失っていた彼女に突きつけられる10年前の自分「あの頃のあなたは、そんなんじゃなかった」。
かつて自分は何を夢見て、何を考えていたのだろう。10年前なりたかった自分に、今なっていますか?ぐわぁーーん!感傷的になって友達にメールしたら、あたしゃ10年前も今と大して変わらずダラダラと生きていたよと。確かに私も...(汗)。
昔と同じく自分のことを大切に思ってくれる親友と、10年トシを重ねた今のお前が好きだといってくれた恋人に背中を押され、ヤス子は一歩、前に向かって歩きだそうとする。
しかし、歪んだ時間は元に戻されるべく、みんな消えていなくなってしまうのだ。さらっとした別れが切ない。切ないけど、かけがえのないものを遺してくれた。登場人物すべて愛おしくて抱きしめたくなるドラマだった。
文
ツキノ・ワグマ