※本記事は2021年12月20日に公開された記事を再編集して公開しています。

冬場の大きな悩みのひとつ、手荒れ。

そんな手荒れ予防に今やハンドクリームは欠かせない存在。でもドラッグストアなどに並ぶ市販のハンドクリームは種類が多すぎて、どういった基準で何を選べばよいのかわからない、という方も多いのではないでしょうか。

皮膚科医の小林智子先生に、手荒れ予防のための心がけやハンドクリームの選び方、効果的な使い方を伺いました。

手軽に買えるドラッグストアのプチプラハンドクリームから、デスクワークの人にうれしい「ベタベタしない」もの、香りが人気のアイテムまで、おすすめのハンドクリームも紹介します。

■ 監修者

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手が荒れてしまうのはなぜ？

ハンドクリームを効果的に使うためにも、まず手荒れの原因や日常生活で気をつけたいことを知っておきましょう。

乾燥が手荒れのもとに

手荒れの原因の多くは乾燥によるものです。

なぜ手が乾燥してしまうのかというと、まず解剖学的な特徴に理由があります。まず、手のひらは体のほかの部分と違って、水分の蒸発を防いでくれる皮脂を分泌する皮脂腺がありません。

さらに、手のひらや指先は皮膚の表面にある角質層が分厚いため、肌の中の水分が保持しにくく、蒸発しやすいのです。

このような特徴に加えて手は常に外的な刺激にさらされています。それにより乾燥しやすく手荒れにも発展しやすいのです。

刺激を与える環境にも注意を

アルコール消毒や手洗いの回数が多いと、それが手肌に刺激を与えて手荒れを加速させてしまうこともあります。

また、水仕事、とくに高い温度のお湯で食器洗いをすると、肌の保湿成分が流出し、手の乾燥につながってしまいます。

温かいと感じるときはお湯の温度が高すぎる可能性があります。顔を洗うときのような、温かくも冷たくもないぬるま湯が理想的な温度です。洗剤を出しすぎて高い濃度のまま使うことも手肌への刺激となるので気をつけたいもの。水仕事をする際は手袋をつけるなど、なるべく刺激をさけるようにしましょう。

ハンドクリームの上手な選び方

手荒れや乾燥を防ぐためには、ハンドクリームを使うことを習慣づけることが重要です。まめに塗り続けるために、どのようにハンドクリームを選ぶのがよいのでしょうか。

日中用、就寝前用に分けて選ぶ

ハンドクリームの簡単な選び方としておすすめなのが、使い心地>を重視すること

手洗いやアルコール消毒をしたあとに、その都度ハンドクリームを塗って保湿するというのが理想的な使い方です。日中はパソコン仕事をしたり、家事をしたりと何かと手を使う作業をすることが多いので、ハンドクリームを使って手がベタベタしてしまうと不快に感じてしまいがちです。

ベタベタするからハンドクリームを塗るのをやめてしまうというのはもったいないので、まめにハンドクリームを塗り直せるように、日中用としては作業の邪魔にならないような、さらっとした使い心地のよいものを選ぶことをおすすめします。

一方で、ワセリンのようなべたべたするような使用感のものも、そのべたべた感が肌にとってはよい面もあります。しっかりと保湿をしてくれるけれどベタつきが気になるという場合は、就寝前用のハンドクリームとして寝る前に塗り込むことを習慣にしてみてください。

注目したい成分

成分の濃度によっても効果は変わってきます。絶対にこれでないといけない、というものはありません。実際に使ったときに塗りやすく、続けやすいものを選んでください。

水分を引き寄せながら水分の蒸発を防ぐような、複数の成分が配合されているハンドクリームも多くあります。さらっとしたハンドクリームを塗った後に、ワセリンを塗って蓋をするような使い方も効果的です。

▼注目したい成分と概要

セラミド	外部刺激から肌を守る、肌のバリア機能を修復してくれる成分のひとつ。保湿力に優れている。
ヘパリン 類似物質	セラミドと同じように肌のバリア機能を修復する働きや、肌本来の保湿成分、天然保湿因子を増やす作用があると言われている。医薬品として有名なものにヒルドイドがあるが、最近では市販されているものの中にもヘパリン類似物質が含まれているものがある。
ヒアルロン酸	肌の水分を引き寄せ、蓄えてくれる保湿成分。
グリセリン	肌の潤いを保つ保湿成分。
ワセリン	肌の表面に膜を張って水分の蒸発を防ぐ働きがある。
尿素	肌の中で水分を蓄える働きがある。尿素はその濃度によって効果が変わり、20％を超える濃度の場合は角質を剥がすような作用がある。通常のハンドクリームに含まれる20％未満の尿素は保湿成分としてはたらく。
ビタミンE	血行をよくする働きがある。冷え性の方などに。

こんなときは病院に

手荒れには重症度レベルがあります。最初はちょっとした乾燥感があったり、よく使う利き手の指先がカサカサしやすくなったりします。そういったカサつきやごわつきから始まって、やがてその乾燥をきっかけに炎症を起こすようになると、いわゆる手湿疹の状態になります。

手湿疹が進行してあかぎれができるようになるくらいに悪化してしまったら皮膚科を受診したほうがよいでしょう。

市販薬でも炎症を抑えるステロイド系の薬がありますが、手は経皮吸収率が低く、薬が浸透しにくい部位です。それに加えて手洗いなどの刺激を無くすことはなかなか難しいので、一度ひどくなってしまうとすぐには治りづらいことも。症状が進行しないように日頃のケアを心がけ、ひどくなったら早めに病院を受診しましょう。

おすすめのハンドクリーム15選

ここからは、おすすめのハンドクリームを紹介。さらっとした使い心地からしっかりした保湿をうたっているものまで、使うタイミングに合わせて選びましょう。カバンやポーチに入れて持ち歩きたいのか、ベッドサイドに置いておきたいのか、家族で使いたいのかなど、目的に合わせたサイズ選びも大切です。

アベンヌ 薬用ハンドクリーム【医薬部外品】（102g）

アベンヌ温泉水と、天然油分のミツロウなどを配合した保湿効果の高いクリーム。肌にうるおいのラップを作り、有効成分を閉じ込め、外部刺激から肌を守ります。なめらかにのびてベタつかず、塗った後に作業がしやすいのも◎。

ニベアソフトスキンケアクリーム　チューブ（50g）

天然保湿成分のホホバオイルを配合したウォーターベースのクリーム。角質に保湿成分が素早く浸透するのでベタつかず、うるおいが長続きします。さらっとした乳液のような使用感で顔や腕、脚、ひじやひざなど全身に使えます。無着色。

メンソレータム薬用ハンドベール うるおいさらっとジェル【医薬部外品】（70g）

さらっとした使用感を好まれる方のベーシックな手荒れケアに。肌に伸ばすとうるおい成分を抱えたジェルがみるみるなじみ、しっかりと保湿します。表面はすぐさらさらになるのもうれしいところ。

コエンリッチ 薬用ホワイトニング ハンドクリーム【医薬部外品】（80g）

ホホバオイル、アーモンドオイル、スクワラン、ヒアルロン酸、コラーゲン、ワセリンといった保湿成分に加え、美白有効成分のナイアシンアミドやマイクロカプセル化した高純度コエンザイムQ10も配合されたハンドクリーム。

しっとりなめらかな感触でハリを与えながら手荒れや乾燥を防ぎます。肌なじみがよく、ベタつきも軽減されています。無香料。

尿素10％クリーム（チューブ）【指定医薬部外品】（60g）

尿素を10％配合したクリーム。硬くなった皮膚をより柔軟にし、うるおいを浸透させて肌荒れ改善効果が持続します。ガサガサした指先や、かかと、ひじ、ひざなどのポイントケアに。

ザーネクリーム 【医薬部外品】（48g）

有効成分の天然型ビタミンEと消炎成分のグリチルリチン酸ニカリウムが配合された、肌の乾燥を防ぎ、うるおいを与えてなめらかに保つハンドクリーム。さらっとベタつかないテクスチャーで、手指だけでなく、顔やからだにも使えます。

ロクシタン シア ハンドクリーム （30mL）

ロクシタンの人気アイテム。天然の保湿成分であるシアバターが20％配合されたハンドクリームは、リッチなうるおいを与え、やわらかくしなやかな手肌に導いてくれます。飽きのこない、やさしい香り。

カルテHD モイスチュア ハンドクリーム【医薬部外品】（50g）

保水有効成分であるヘパリン類似物質HDに加え、肌をやわらかくするエモリエントオイル、肌への密着力が高いワセリン、ベタつきを抑えるさらすべオイルを配合。

肌のうるおいを高め、ベタつきのない使い心地を両立したハンドクリーム。荒れやすい乾燥肌に全方位からアプローチします。無香料、無着色、低刺激処方。

キュレル ハンドクリーム 【医薬部外品】（50g）

セラミド機能成分（ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド）やユーカリエキスといったうるおい成分が角質内部のうるおい密度を高め、手肌保護膜成分（ジメチルパルミチルポリシロキサン）が乾燥しやすい手肌を保護。

うるおいを逃さず、外部刺激から肌を守ります。消炎剤アラントイン、ビタミンE配合。無香料、無着色。

ニュートロジーナ インテンスリペア ハンドクリーム（50g）

分子の小さい純度99％のグリセリンを高濃度配合。乾燥肌を保湿し、うるおいに満ちたなめらかな肌へと導きます。高保湿なのにベタつきのない、肌なじみのよいテクスチャー。敏感肌の方にも。無香料。

ヴァセリン オリジナル ピュアスキンジェリー（80g）

塗ることで肌の表面をピュアスキンジェリーがコーティング。肌の内側の水分を逃さず、うるおいが続きます。

靴があたりやすい部分に塗って肌を保護したり、衣服のまさつ刺激からお肌を守ったりすることにも使えます。赤ちゃんの肌にも。持ち運びしやすい40g、家族みんなで使える200gタイプもあり。無香料、無着色、防腐剤無添加。

ベビーワセリン（60g）

無添加・低刺激のチューブタイプの白色ワセリン。皮膚や口唇を保護し、乾燥を防ぎます。保存料を使用していないので、赤ちゃんから大人まで安心して使えます。無香料、無着色、パラベンフリー。

ユースキン 120gボトル【指定医薬部外品】（120g）

血行を促進するトコフェロール酢酸エステル（ビタミンE誘導体）、炎症を鎮めるグリチルレチン酸、dl-カンフル、保湿と柔軟性を回復するグリセリンの4つの有効成分を配合。ヒアルロン酸Na、ビタミンCが肌にうるおいを与え、おやすみ前の使用で朝までうるおい効果が持続します。

おうちでしっかりケアできる「しっかりケアボトル」タイプのほかにチューブタイプやミッフィーデザインのものなどもあり。

アトリックス ビューティーチャージ ナイトスペリア（98g）

保湿成分のローヤルゼリーエキスとパンテノールが詰まったカプセルが配合された濃厚なクリームタイプの「夜美容ハンドクリーム」。おやすみ前にマッサージするように手肌に塗り込むと、寝ている間に角質に浸透し、翌朝うるおったハリのある手肌に。

ロコベースリペア クリーム（30g）

防腐剤を使わないために水分量を極力減らした硬く重めのテクスチャーのクリーム。水に強いタイプ。

ナノ化された硬い保湿成分（パラフィン）が肌表面に密着し、肌のうるおいを保ちます。セラミド3、コレステロール、遊離脂肪酸の肌脂質成分が皮膚のバリア機能をサポート。保湿成分のシアバターも配合されています。無香料、無着色、防腐剤無添加。

ハンドクリームのおすすめの塗り方

ハンドクリームを手のひらに出してから塗り広げようとすると、手のひらばかりについてしまいます。手湿疹は指先から広がりやすいので、一番ものに触れたり、使ったりする指先を意識して、指の一本一本を重点的に塗ることをおすすめします。

不快でなければ、ハンドクリームをしっかり塗ってから、寝るときに手袋をすることも効果的です。手袋は肌触りのよいものを選ぶようにしてください。

手の乾燥は外気の影響も多いので、外気から手を守る意味でも外出時に手袋をつけることもよいでしょう。特に自転車に乗るときは風にさらされてしまうため、手袋をつけることをおすすめします。

文・ROOMIE編集部

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