「セルロースナノファイバーの安全性評価書-2025-」を公開
記事配信日:
2025/01/27 14:00 提供元:共同通信PRワイヤー
関連事業者に安全性情報を提供、CNFの応用開発と普及を後押し
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202501233267-O1-Z2C5y2sP】
概 要
国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)とNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、NEDO事業「炭素循環社会に貢献するセルロースナノファイバー関連技術開発」において、セルロースナノファイバー(CNF)の安全性評価に取り組んできました。本日、CNFの安全性に関する新たなNEDO事業の成果と国内外の論文情報をとりまとめた「セルロースナノファイバーの安全性評価書-2025-」を公開しました。今後も、CNFの安全性に関する情報発信を継続するとともに、展示会や技術相談、技術コンサルティングを通じて、CNF関連事業者や新たに応用開発を目指す事業者を支援し、CNFの普及を後押しします。
下線部は【用語解説】参照
公開の背景
植物由来の素材であるCNFは、軽量、高強度、高弾性率、低熱膨張率、透明性という特長を有する高性能素材です。また、大気中の二酸化炭素を吸収・固定した木材などを原料とするため、カーボンニュートラルを実現する素材としての期待も高まっています。しかし、新しい材料が社会で広く利用されるためには、安全性の確認が不可欠であり、安全性情報が不十分な場合、他の材料との競争で不利になる可能性があります。特にナノ材料は、その微小さ由来の性質から市場化に際して安全性の確認を求める国際的な流れが強まっています。
この課題に対処するため、産総研は、NEDO、福井大学、香川大学と連携して、NEDOの「炭素循環社会に貢献するセルロースナノファイバー関連技術開発/CNF利用技術の開発/多様な製品用途に対応した有害性評価手法の開発と安全性評価(2020~2024年度)」(以下「本事業」という)において、CNFの安全性評価に取り組んできました。
産総研は、CNFを取り扱う事業者や応用開発を目指す事業者を支援するために、CNFの安全性評価に関する本事業の成果および国内外の論文情報をとりまとめた「セルロースナノファイバーの安全性評価書-2025-」(以下、本評価書という)を公開しました。本評価書は、2022年12月に公開した評価書の更新版であり、本事業で得られた最新の研究成果や国内外の論文情報を反映し、安全性情報を大幅に拡充しました(図1)。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202501233267-O2-rRU5btuk】
本評価書は下記の産総研ウェブサイトからダウンロードできます。
セルロースナノファイバー(CNF)の安全性評価(FY 2017-)
公開文書の概要と新たに加わった主な成果
本評価書(図2)では、第2章から第6章において、動物試験や細胞試験の結果を中心に、ヒトへの健康影響に関する情報を整理しています。第2章では、発がん性や遺伝的障害のスクリーニング試験である遺伝毒性試験の結果を示し、第3章では、繊維状物質に関連して懸念される中皮腫に関する知見を取り上げています。第4章から第6章では、それぞれ吸入暴露、経皮暴露、および経口暴露による影響を整理しています。第7章では、ヒトの暴露に関する情報として、作業環境調査や模擬試験を含むCNFの排出・暴露評価事例を紹介し、注意が必要なプロセスや対策、管理方法、および計測法についてまとめています。さらに、第8章と第9章では環境影響に焦点を当て、水生生物への影響および生分解性に関する知見をそれぞれ取り上げています。最後に、第10章で各章の結果を総括しています。
本評価書は、2022年12月に公開した評価書の内容を更新し、本事業で新たに得られた成果を含めています。第3章では、マウスの腹腔内投与試験および培養細胞試験による中皮腫発生に関する検証結果を追加しました。第4章では、28日間にわたるラット気管内投与試験や培養細胞試験に加え、福井大学が実施したマウス気管内投与試験およびラット吸入暴露試験の結果を新たに取り上げています。第6章では、福井大学が実施したラットおよびマウスによる28日間反復経口投与毒性試験の結果を加えています。第7章では、排出・暴露評価事例を追加し、第8章では、藻類、甲殻類、魚類などの水生生物を対象とした生態影響評価の結果をまとめています。これらの成果を盛り込むことで、CNFの安全性評価に関する知見がさらに充実し、より包括的な内容となりました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202501233267-O3-492P0pfV】
今後の予定
1月29日(水)から31日(金)まで、東京ビッグサイトで開催される「nano tech 2025 第24回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」のNEDOブースで本評価書を展示・配布します。また、同展示会内で1月30日に開催される【NEDOセミナー】「CNF複合材料・部品・製品の市場拡大を目指して」~NEDO事業 炭素循環社会に貢献するセルロースナノファイバー関連技術開発 成果報告会~において、概要を紹介します。
今後は、引き続きCNFの安全性に関する情報発信を行うとともに、展示会や技術相談、技術コンサルティングなどを通じて、CNF関連事業者や新たに応用開発を目指す事業者を支援します。また、CNFの安全性に関する情報のさらなる収集と解析を進め、安全性評価書の更新を行います。CNFの社会実装および市場拡大の早期実現を安全性評価の面から後押しすることで、二酸化炭素排出量の削減に寄与し、エネルギー転換や炭素循環社会の実現に貢献します。
用語解説
セルロースナノファイバー(CNF)
パルプなどの植物繊維をナノレベルまでほぐすと得られる、繊維径が約3ナノメートル~100ナノメートルのセルロース繊維。
ナノ材料
物理的な寸法が少なくとも一つの次元において1ナノメートル~100ナノメートルの間にある材料。
プレスリリースURL
https://www.aist.go.jp/aist_j/news/announce/pr20250127.html
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202501233267-O1-Z2C5y2sP】
概 要
国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)とNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、NEDO事業「炭素循環社会に貢献するセルロースナノファイバー関連技術開発」において、セルロースナノファイバー(CNF)の安全性評価に取り組んできました。本日、CNFの安全性に関する新たなNEDO事業の成果と国内外の論文情報をとりまとめた「セルロースナノファイバーの安全性評価書-2025-」を公開しました。今後も、CNFの安全性に関する情報発信を継続するとともに、展示会や技術相談、技術コンサルティングを通じて、CNF関連事業者や新たに応用開発を目指す事業者を支援し、CNFの普及を後押しします。
下線部は【用語解説】参照
公開の背景
植物由来の素材であるCNFは、軽量、高強度、高弾性率、低熱膨張率、透明性という特長を有する高性能素材です。また、大気中の二酸化炭素を吸収・固定した木材などを原料とするため、カーボンニュートラルを実現する素材としての期待も高まっています。しかし、新しい材料が社会で広く利用されるためには、安全性の確認が不可欠であり、安全性情報が不十分な場合、他の材料との競争で不利になる可能性があります。特にナノ材料は、その微小さ由来の性質から市場化に際して安全性の確認を求める国際的な流れが強まっています。
この課題に対処するため、産総研は、NEDO、福井大学、香川大学と連携して、NEDOの「炭素循環社会に貢献するセルロースナノファイバー関連技術開発/CNF利用技術の開発/多様な製品用途に対応した有害性評価手法の開発と安全性評価(2020~2024年度)」(以下「本事業」という)において、CNFの安全性評価に取り組んできました。
産総研は、CNFを取り扱う事業者や応用開発を目指す事業者を支援するために、CNFの安全性評価に関する本事業の成果および国内外の論文情報をとりまとめた「セルロースナノファイバーの安全性評価書-2025-」(以下、本評価書という)を公開しました。本評価書は、2022年12月に公開した評価書の更新版であり、本事業で得られた最新の研究成果や国内外の論文情報を反映し、安全性情報を大幅に拡充しました(図1)。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202501233267-O2-rRU5btuk】
本評価書は下記の産総研ウェブサイトからダウンロードできます。
セルロースナノファイバー(CNF)の安全性評価(FY 2017-)
公開文書の概要と新たに加わった主な成果
本評価書(図2)では、第2章から第6章において、動物試験や細胞試験の結果を中心に、ヒトへの健康影響に関する情報を整理しています。第2章では、発がん性や遺伝的障害のスクリーニング試験である遺伝毒性試験の結果を示し、第3章では、繊維状物質に関連して懸念される中皮腫に関する知見を取り上げています。第4章から第6章では、それぞれ吸入暴露、経皮暴露、および経口暴露による影響を整理しています。第7章では、ヒトの暴露に関する情報として、作業環境調査や模擬試験を含むCNFの排出・暴露評価事例を紹介し、注意が必要なプロセスや対策、管理方法、および計測法についてまとめています。さらに、第8章と第9章では環境影響に焦点を当て、水生生物への影響および生分解性に関する知見をそれぞれ取り上げています。最後に、第10章で各章の結果を総括しています。
本評価書は、2022年12月に公開した評価書の内容を更新し、本事業で新たに得られた成果を含めています。第3章では、マウスの腹腔内投与試験および培養細胞試験による中皮腫発生に関する検証結果を追加しました。第4章では、28日間にわたるラット気管内投与試験や培養細胞試験に加え、福井大学が実施したマウス気管内投与試験およびラット吸入暴露試験の結果を新たに取り上げています。第6章では、福井大学が実施したラットおよびマウスによる28日間反復経口投与毒性試験の結果を加えています。第7章では、排出・暴露評価事例を追加し、第8章では、藻類、甲殻類、魚類などの水生生物を対象とした生態影響評価の結果をまとめています。これらの成果を盛り込むことで、CNFの安全性評価に関する知見がさらに充実し、より包括的な内容となりました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202501233267-O3-492P0pfV】
今後の予定
1月29日(水)から31日(金)まで、東京ビッグサイトで開催される「nano tech 2025 第24回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」のNEDOブースで本評価書を展示・配布します。また、同展示会内で1月30日に開催される【NEDOセミナー】「CNF複合材料・部品・製品の市場拡大を目指して」~NEDO事業 炭素循環社会に貢献するセルロースナノファイバー関連技術開発 成果報告会~において、概要を紹介します。
今後は、引き続きCNFの安全性に関する情報発信を行うとともに、展示会や技術相談、技術コンサルティングなどを通じて、CNF関連事業者や新たに応用開発を目指す事業者を支援します。また、CNFの安全性に関する情報のさらなる収集と解析を進め、安全性評価書の更新を行います。CNFの社会実装および市場拡大の早期実現を安全性評価の面から後押しすることで、二酸化炭素排出量の削減に寄与し、エネルギー転換や炭素循環社会の実現に貢献します。
用語解説
セルロースナノファイバー(CNF)
パルプなどの植物繊維をナノレベルまでほぐすと得られる、繊維径が約3ナノメートル~100ナノメートルのセルロース繊維。
ナノ材料
物理的な寸法が少なくとも一つの次元において1ナノメートル~100ナノメートルの間にある材料。
プレスリリースURL
https://www.aist.go.jp/aist_j/news/announce/pr20250127.html
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