藤田保健衛生大学大学院と韓国の国立江原大学は、共同のプロジェクトを立ち上げた。テーマは「日韓共通課題である薬物依存の解明と治療」。若手研究者の人材育成と日韓交流が含まれている(写真・カメラマン 菊地健志、以下同)
薬学博士の鍋島俊隆客員教授は、国立江原大学との共同研究のパイオニアだ。1996年からすでに20年以上、韓国の研究者たちと学術交流を積み重ねてきた貴重な存在だ
国立江原大学のキャンパスで。右が、韓国の薬物研究の第一人者である金瀅春(キム・ヒョンチュン)教授。左が、藤田保健衛生大学大学院の齋藤邦明教授。9 月中旬、齋藤教授が主宰する「国際トリプトファン学術会議」に金教授を招聘し、滋賀県立大学で講演会を開く予定
日韓のプロジェクトが注目しているのは、朝鮮人参に含まれるフィトケミカル(植物由来の化学物質)だ。どの程度、代謝の正常化に役立つかを調べると同時に、依存のメカニズムを解明しながら治療のための薬の創出につなげていく
(公財)韓昌祐・哲文化財団2017年度助成受贈者の齋藤邦明教授。日韓共同プロジェクトの中心人物。過去に米国国立衛生研究所で上席研究員、京都大学で教授を務めた。日韓共同で乱用薬物を研究した論文は、60本以上国際学術誌に発表してきた。今後の研究成果が期待される