はしか感染が拡大中 ワクチン未接種者も多く、特に50代以上が...
世界的に「はしか(麻疹)」の流行が懸念されている。日本でもじわじわ感染者が出始めている。感染力が極めて高く、約1000人に1人が亡くなるとされる。唯一の有効な防御手段はワクチンだが、未接種の人も多い。
合併症で重症化
はしかは、2019年には世界で大流行、約50万人が感染した。このところ世界的に感染拡大の傾向がみられ、2024年2月20日、世界保健機関(WHO)は各国に予防策を強めるように警告していた。
産経新聞によると、はしかは麻疹ウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症で、空気や飛沫、接触により感染する。免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続するといわれている。
感染すると、約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れ、2、3日熱が続いた後、39度以上の高熱と発疹が現れる。感染による合併症として肺炎や脳炎が引き起こされて重症化し、死亡するケースもある。
日本では3月に入って、立て続けに感染者が出ている。12日までに11人の感染者が報告されている。いずれも海外からの帰国者か観光客、もしくは感染者と接点があったとみられる人だ。感染力はインフルエンザの10倍以上だという。
50代以上は未接種が多い
厚生労働省によると、日本では2007~8年にかけて大きな流行があったが、10年以降に国内で見つかったウイルスは海外由来のものばかり。15年には、WHOから、日本では、はしかが排除状態にあることが認定されている。このため、海外から持ち込まれるケースを警戒している。今回は、感染者の出た航空便名や、帰国後の移動ルートなどが公表されている。
感染しないための最大の予防策は、ワクチンだ。近年、国内の感染者が減ったのは、厚労省が08から5年間、中学1年相当、高校3年相当の年代に2回目のワクチン接種を受ける機会を設けた効果によるとされている。
ただし、年齢によってワクチンの接種状況は異なる。TBS「ひるおび」(3月12日)によると、以下の通り。
◆2000年4月2日以降に生まれている23歳以下の人
⇒2回の接種でワクチン免疫を獲得
◆1972年の10月1日以降に生まれている23歳~51歳の人
⇒1回のみの可能性
◆51歳以上の人
⇒未接種の可能性
自分がワクチンを接種したか、過去に感染したことがあるか、などは抗体検査で確認が可能だ。