被災地へ温かい食を届けるフードトラック 平時は「無人フードバンク」に変身
車内に食品の調理設備を持つフードトラック。これを災害時だけでなく、平時でも活用して食の支援につなげる試みを、ピースボート災害支援センター(PBV、東京都新宿区)が実施する。
これは「FooBour(フーバー)」と名付けられたプロジェクトで、佐賀県大町町と提携。2023年12月7日、PBVと大町町は包括連携協定を締結した。
近年2度の水害に見舞われた大町町
大町町は2019年8月、21年8月と近年2度にわたって大きな水害に見舞われ、PBVは当地で被災者支援を行ってきた。23年3月に佐賀県、公益財団法人佐賀未来創造基金との間で佐賀県内への進出協定を締結。今回、大町町とも平常時及び災害時において、包括連携協定を結んだ。
「FooBour(フーバー)」とは、Food(食事)とHarbour(港)を組み合わせた造語だ。平常時はフードトラックを、無人のフードバンクとして活用。佐賀県内のひとり親世帯を対象に、1か月100~200世帯(延べ)に食事や生活用品を提供する。無人のため、登録した人だけが使える仕組みとなっている。
災害が発生した場合は、移動型の食の支援を実施。日本国内の被災地に赴き、1日最大2000食の温かい食事を提供する。
災害時はSNSで場所を周知
J-CASTトレンドは、PBVに詳しく聞いた。まず平常時は、フードトラックを大町町内の「大町町総合福祉保健センター美郷」に置き、1週間に1回中身を補充する予定だという。今後、近隣の市町から要望が届くようになったら、週ごとに場所を移動することも検討するとの話だ。
災害時は、全国どこへでも駆けつける。PBVでは、SNSを活用してフードトラックの場所を周知する。フードトラックの車体は黄色く目立つカラーに塗装し、視認性を高めたことで「これまでの経験上、口コミで人が集まる見込み」とのことだ。