初デートでうんこ漏らし寸前! 事前準備したせいで「悲劇」
20代女性の七海さんは、彼氏との初デートを明日に控えてドキドキ。ある「心配事」があり、万全の体制でのぞむために前日に下剤を飲んだら、悲劇に見舞われてしまいました。彼氏に嫌われるどころか、不名誉すぎてもう家から出られないかもしれない......。七海さんに一体何が?
「悲劇」を回避するためには、どうすればよかったのでしょうか。
初デート相手をひとり街中に放置...
彼氏との初デートが明日にせまっているのに、七海さんのお腹はまるで妊婦のよう。幼少期から悩まされている便秘のせいで、下腹がパンパンに膨れているのです。お腹の苦しさで食欲もありません。このままでは明日のデートを楽しめなさそう。
そこで、明日の朝の排便を期待して、寝る前に「刺激性下剤」を服用しました。七海さんはこれまでにも、整腸剤を服用することはありましたが、日常ではほとんど下剤は使っていません。藁にもすがる思いだったのです。
しかし、朝が来てもいっこうに便意は起こらず。妊婦のようなお腹を隠すため仕方なく予定していたものとは別の、ダボっとしたワンピースに着替えて、待ち合わせ場所へ向かいました。
お腹の苦しみに耐えながら、無理やりランチを食べて、2人で街中を歩いていると、「なんで今なんだ!」というタイミングで激しい便意と腹痛が。まともにしゃべれないうえ冷や汗が止まらなくなり、彼氏に心配されますが、「うんちが漏れそう!」なんて口が裂けても言えません。できるなら今すぐここで出したいところ、彼氏をひとり街中に放置して息も絶え絶えに自力でコンビニのトイレに辿り着き、土石流のような下痢を出して事なきを得ました。
彼氏に嫌われるどころか、あわや人間としての尊厳まで失いかけた七海さん。デートを楽しむために薬まで飲んだのに、どうしてこんなことになってしまったのでしょうか。今後、下剤を服用するうえで気を付けたいのは、「量を増やす」か「種類を変える」か......どちらでしょうか。
薬は効果や時間によって選ぼう
七海さんが服用した刺激性下剤は、服用後、早くとも8時間ほど経って効果が出てくる薬です。長い場合だと10時間以上かかることも。飲んだ翌日の昼ごろまで便意がなかったのは、効果があらわれるまでに時間がかかってしまったから。
さらに、刺激性下剤は大腸のぜん動運動(便を排出するための腸の動き)を誘発することでうんちを無理やり排出させるため、腹痛と下痢を起こしてしまったと考えられます。薬の量を増やしても排便のタイミングをコントロールすることには繋がらないため、「2,下剤の種類を変える」が正解です。
刺激性下剤で腹痛や下痢を起こしてしまうのは、服用者にとって薬の効果が強すぎるため。刺激が少ない「塩類下剤」を選ぶと、苦しみから解放されるかもしれません。塩類下剤は腸内の浸透圧を変化させてうんちを柔らかくし、排便をうながします。服用後2?3時間で効果があらわれるので、七海さんのように「不意打ちの便意」に見舞われにくくなります。
ただし、重度の便秘症でぜん動運動が低下してしまっている場合は、うんちが柔らかくなっても排便できないことがあります。自分の症状によって適切な薬を選ぶことが重要です。
また、下剤の量は、下剤によって出したうんちの状態によって適正量を見極めることが大切。下痢状態で排便される場合は、適正量ではないので量を減らすようにしてください。決められた使用量以上を使うことはNGです。用法用量を守ったうえで改善されない場合は、病院を受診しましょう。
薬を飲まないのが1番!
大前提として、下剤によって排便を促すことはおすすめしません。ひどい便秘症状で生活に支障が出ている場合に、「頓服」として利用するのにとどめましょう。特に刺激性下剤は依存性があり、継続して服用すると便秘をさらに悪化させてしまいます。
本来であれば、下剤を使わずに自然に排便できるのが1番。腸内環境を改善しながら、薬を使わなくても排便できる状態を少しずつ目指すのが大正解です。
(文・イラスト:長瀬みなみ)