PS5「DualSense」9000円以上に 値上がりし続けるコントローラー

   人気家庭用ゲーム機の標準コントローラーが9000円超に――。ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)はゲーム機「プレイステーション(PS)5」用コントローラー「DualSense」を2023年10月18日から値上げすると、11日に発表した。7種類のカラーのうち、「ホワイト」「ミッドナイト ブラック」は9480円(税込)となる。

   同カラーの現行価格は公式ECサイト「ソニーストア」を見ると、11日現在7678円(税込)だ。PSシリーズの純正コントローラーはこれまで値上がりを続けている。初代プレイステーション(PS1)のころには、コントローラーが3000円前後という時代もあったようだ。

PS5専用コントローラー「DualSense」 9000円以上への値上がりに
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2000円台の時代も?

   ゲーム業界に詳しい東洋証券のシニアアナリスト・安田秀樹氏に取材した。コントローラー値段が上がっているのは、進化につれ「技術的なハードルが非常に高くなっている」ことや円安などが背景にあると指摘する。

   J-CASTトレンド記者は過去のPSシリーズのコントローラー価格を調べた。PS1にさかのぼり、1997年に発売された「DUALSHOCK」を例にとろう。記者が見た限りメーカー公式情報は見つからなかったが、中古メディア買い取りサイト「駿河屋.jp」によると、この機種の定価は3630円(税別か不明)とされている。

   ゲーム情報メディア「GAME Watch」の2002年6月24日付記事では、上述のDUALSHOCKや、後継機の「PS2」(2002年3月発売)用コントローラー「DUALSHOCK 2」の値下げについて報じた。同月に前者は2800円から2500円に、後者は3500円から2500円に価格が改められたという(いずれも税別か不明)。

値上げで1万円近くのカラー

   「PS3」(2006年11月発売)専用コントローラー。いくつか種類があるが、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンの2007年10月9日付発表によると、同年11月11日には専用コントローラー「DUALSHOCK 3」を発売した。こちらの価格は5500円(税込、以下同)だ。

   さらに次世代の「PS4」(日本では2014年2月発売)専用コントローラー「DUALSHOCK 4」。ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアの2013年9月9日付発表によると、単体の価格は当時で6279円だ。

   そしてPS5(2020年11月発売)専用コントローラー「DualSense」は冒頭の通り、10月11日現在ソニーストアで「ホワイト」「ミッドナイト ブラック」が7678円だが、10月18日から9480円に。

   「コズミック レッド」「スターライト ブルー」や「グレー カモフラージュ」など一部カラーは現在8228円と高価格だが、これらは10月18日の改定から9980円になる。約1万円だ。

無線形式に切り替わって

   PSシリーズのコントローラーは、もともと有線で本体と接続して遊ぶ仕組みだったが、PS3以降は無線(ワイヤレス)形式に切り替わっている。これに技術的なコストがかかると、前出の安田氏は分析する。

   また無線駆動に伴い、コントローラーにはバッテリーが導入されたが、これも値段上昇につながっていると続ける。安田氏によると、近年ではEV自動車などリチウムイオン電池を用いる機器が増えており、その価格が大きく上がっているという。

   またこうした事情からコントローラーの卸売価格が上がると、店頭に並ぶときの希望小売価格も小売業者の利益確保のために上げざるを得ない。

   そして、円安だ。価格を世界的に統一していくうえで、日本国内のPS5や周辺機器の価格を引き上げる必要があると分析する。

   とはいえコントローラーは遊ぶ上で必需品のため、すぐに周辺機器の買い控えなど購買行動に影響が出るとは考えづらいと推測した。

   なおPSシリーズ公式の「Playstationサポート」サイトによると、10月11日現在、DualSenseの修理、交換費は6050円だ。コントローラーが壊れた場合、買いなおすにしても修理依頼するにしても一定の費用がかかる。

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