VTuberにかかる「初期費用」公表動画 数千円から「200万円」超えも
動画配信者としてメジャーな存在になったVTuber(バーチャルユーチューバー)。「VTuberになるまでかかった初期費用」は――。こうしたタイトルで、活動開始に要したコストを公表するとの内容の動画をたびたび見かける。
語られている金額はVTuberによってまちまちだ。すでに機材を所有していたり、アバターのモデリングにどの程度力を入れたりするかで変動するようだ。
もともと機材を持っていると
約1年半活動を続けているVTuberが、匿名でJ-CASTトレンドの取材に応じた。こうした動画について、近ごろはあまり見かけないものの「数か月前にはやっていた印象」という。
記者は2023年10月5日に、YouTubeで「VTuber 初期費用」と検索した。ショート動画を中心に数十本、上述の趣旨の動画が2023年中にアップロードされているのが見つかった。BGMとともに、テンポよくお金をかけた品目と金額を紹介していくというものだ。
たとえば、「天使エル」さんというVTuber。23年8月11日付の動画によると、「お身体」(アバター)が100万円、パソコン(PC)が20万、マイクやオーディオインターフェースなど機材が20万円、イラスト依頼料で30万円、広告費20万円、その他ロゴなど依頼料に40万円、合計「約230万円」かかったと語っている。
これにより貯金額が2268円になったとし、動画の最後に「VTuber活動に本気で人生捧げにきました!」とつづっている。ユーザーからは、「覚悟すごい」「応援してます」といった反応が寄せられた。
同じくVTuberの宇井葉宙さん。2023年6月2日付ショート動画では、モデル代に30万円、PC2台で40万円、マウスやキーボードで8万6000円、マイク周りで6万3000円、PC用デスク1万2000円。その他と合計で97万3000円かかったと公表している。
ただ実際には100万円を超えていたのか、動画の最後では「計算し直したら三桁でした 金欠なので応援してくだs」(原文ママ)と補足している。
少額で済んだというケースも。VTuber・「輪廻」さんの2023年3月5日付動画によると、こちらはモデリングソフト代で2000円。またパソコンやマイクといった機材はもともと所有していたとして「合計2000円」としている。
費用公表する理由は
前出の取材に応じたVTuberによると、自身の初期費用としては、まずモデル代を安く抑えつつ8000円を投じた。機材はすでに所有していたため、費用ゼロ。マイクやオーディオインターフェース、キャプチャーボード(ゲームの画面などを録画できる機材)で2万6000円、合計3万4000円かかったという。
近ごろは動画に限らず、こうした初期費用についてSNS上で明かす事例を見かけると続ける。VTuberたちが費用を公表する動機について、見解を聞いた。
毎日のように新たなVTuberが登場するなか、初期費用が単純に気になる人が多いと考えられること。費用がかかったため、YouTubeのスーパーチャット(投げ銭)機能を通して「支援してもらいたい」というVTuberの思惑。「話題作り」の一環として。あるいは、費用を公表するというはやりの流れに乗るためではないか、などと推測した。