仮想世界から現実の家電を操作 VRユーザー発のスマートリモコン誕生
「仮想世界から現実世界の家電を操作するスマートリモコン」が登場した。メタバース上のワールド(仮想の世界)制作や関連グッズを手がける「youyou2002」さんが開発した「Vremote」だ。
次元の壁を越えて、エアコンや照明器具を操作できる。VRゴーグルをわざわざ外してリモコンを探す必要がなくなりそうだ。
仮想空間にいながらエアコンをオン
VremoteはX(旧ツイッター)上でyouyou2002さんが2023年9月27日に発表。「VR生活をよりスマートに」するツールとして紹介している。クリエイターが創作物を出品できるサービス「BOOTH」上で予約注文を受け付けている。
メタバースプラットフォーム「VRChat」上から使用可能だ。VRChatでは、仮想空間内にて左コントローラーを操作し、「Expression」という機能を使うと、アバターに特定の動作をさせられる。
youyou2002さんがユーチューブに投稿しているVremoteのデモ動画では、VRChat内のアバターや操作画面と、現実のエアコンや電灯の様子を映している。
動画内では、Expressionメニューの中にVremotenの項目が組み込まれている。そこには照明の「全灯」や「常夜灯」、「エアコン停止」「風量強」といった項目が表示。項目に向けてコントローラーのスティックを倒すに応じて、照明がオン、オフを切り替えたり、エアコンが風量を強めたりする様子を実演している。
youyou2002さんに取材した。エアコンや扇風機、シーリングライトの操作が主な使い道になるという。VRChatを遊んでいて暑くなってきたときや、VR睡眠(VRゴーグルを着用したまま仮想世界で寝ること)時に消灯する用途を想定していると話す。
開発のきっかけは、youyou2002さんがフルトラッキング(専用機材を使い、ユーザーの全身の動きをアバターに反映させること)で遊んでいたときのこと。エアコンをつけたくなったときに、リモコンを取りにいくのが「面倒くさいなと思ったのがきっかけでした」。また、もともと何かデバイスを作ってみたいと考えてたのも製作の理由だ。
既存リモコンの代わりに赤外線を
Vremoteは、パソコンにUSB接続して使うデバイスと、専用ソフトウエア「VremoteController」で構成される。仕組みとして、デバイス本体に、エアコンや照明のリモコンの、特定のボタンを押したときの赤外線情報を登録しておく。
そして、VRChat上で使うアバターにVremoteControllerを組み込み、設定する。VRChatと外部ツールを連携させられる「OSC(OpenSound Control)」という仕組みを使い、ユーザーの仮想空間内での操作に応じて、専用ソフトウエアを経由してVremoteが赤外線を発する。
BOOTHでの価格は3980円。発送予定日は「10月10日ごろ」とある。