江戸川区「メタバース区役所」実証実験 「全国初」バーチャルで申請受付

   東京都江戸川区が「メタバース区役所」の実証実験を行う。現実の区役所の建物外観や1階の総合窓口、個別相談スペースを再現した仮想空間を作り、区民が直接足を運ばずに遠隔で相談や問い合わせができるようにする。2023年9月20日に開始予定だ。

   区のDX推進課に取材すると、自治体がメタバースの役所で相談や申請受付を行うのは「全国初と認識」しているという。

江戸川区のメタバース区役所 (NTT東日本の2023年9月13日付発表から)
1階の総合受付などを再現 (NTT東日本の2023年9月13日付発表から)
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まずは障害福祉関連で

   江戸川区では、2028年に新庁舎へ移転するのを機に「来庁不要の区役所」の実現を目指し、行政手続や相談業務のオンライン化に取り組んでいる。

   23年9月13日、斉藤猛区長は会見で、オンライン手続きは文字情報が多く申請に難しい部分があるため、「メタバースで区役所と全く同じものができれば手続きがしやすくなるのでは」と考えていると述べた。

   メタバース区役所は、仮想空間プラットフォーム「DOOR」上に開設。アバターの姿を通して、テキストや音声で訪問者に対応する。

   取材に応じたDX推進課の話によれば、実証実験では、障害者団体と調整してメタバース区役所を開設する。実際に区障害福祉課の職員が対応し、障害者福祉に関する相談や電子申請の案内を行う。障害者団体にメタバースのURLを提供し、アクセスしてもらう。いずれは区公式サイトから来られるようにする予定とのこと。

   前出の斉藤区長の会見によると、障害福祉に関する相談の受付は、メタバース区役所といては「第1弾」との位置づけだ。この取り組みを支援しているNTT東日本の9月13日付発表によると、利用範囲を限定した実証実験を行い、メタバース空間における行政サービスの可能性を検証する。

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