全国各地で「猛暑日」過去最高を更新 来年以降もっと暑い夏がやってきそう

   立秋を過ぎたが、暑い日が続いている。2023年の夏は、最高気温が35度を超える猛暑日が多く、各地で年間の過去最多記録を更新した。太平洋高気圧の張り出しや、フェーン現象のほか、温暖化の影響も指摘されており、来年以降も日本列島はさらに暑くなる可能性があると予想されている。

9月以降も厳しい残暑になりそう
Read more...

京都はほぼ毎日が「猛暑日」

   東京都は8月29日、午前中に最高気温35度を突破、今年22日目の猛暑日となった。1875年に統計を取り始めてから、猛暑日は昨年の16日が過去最多だったが、その記録の更新が続いている。

   東京よりも暑いのが内陸部の北関東だ。群馬県の前橋市では28日、最高気温36.2度。今年33日目の猛暑日となった。統計が残る1897年以降で最多だ。

   さらに暑いのが、盆地に近い地形の京都市。28日、今年37日目の猛暑日になり、1942年の年間36日を更新した。29日も36度を超えた。ほぼ毎日が猛暑日だ。

   涼しい、と思われがちな東北地方も暑い。山形市は23日、最高気温37度を記録。今年の猛暑日が20日になり、観測史上最多だった1929年の19日を更新した。秋田市は24日、今年11日目の猛暑日。こちらも統計開始以来、年間最多となった。

地球温暖化も影響

   今年は7月も暑かった。日本の平均気温は、19世紀末に近代的な観測が始まってから、最も高かった。8月はさらに拍車がかかった。

   28日には、気象庁の異常気象分析検討会(会長、中村尚・東京大教授)が開かれた。毎日新聞によると、7月後半以降の猛暑について、本州付近への太平洋高気圧の張り出しが記録的に強まったことやフェーン現象などに加え、地球温暖化傾向が影響したことが要因との見解が示された。中村会長は今夏の気温について「歴代の気温と比較して圧倒的に高い。夏全体を見ても異常だ」と述べた。

   気象庁によると、今夏(6~8月)の平均気温は、これまで最も高かった2010年を上回り、1898年の統計開始以降最も暑い夏になる見込み。

   中村会長は、今後の気温の見通しについて「日本の南海上の活発な対流活動が日本付近の気温を高くする方向に働いている。残暑が厳しい状況が続くと考えられる」と話した。

9月も暑い

   救急車も大忙しだ。TBSによると、今月27日までの1週間に、熱中症で救急搬送された人の数は速報値で、全国で7424人。このうち半数以上の4164人が高齢者で、乳幼児も27人含まれていた。

   救急搬送された人のうち、死亡した人は7人、3週間以上の入院を必要とする「重症」の人は191人いた。

   都道府県別でみると、全国最多は北海道で935人。次いで東京都が410人、大阪府が379人、兵庫県が342人、愛知県が305人など。北海道内では過去最長の41日連続で「真夏日」が観測されるなど、連日厳しい暑さが続いている。

   救急搬送は、東北各県でも目立っている。さくらんぼテレビによると、山形県では27日までの1週間に、熱中症によって救急搬送された人は149人。昨年の同じ時期の約15倍になった。

   NHKによると、気象庁が発表した長期予報では、9月から11月にかけての3か月間も暖かい空気に覆われやすく、広い範囲で気温が平年より高い傾向が予想されている。特に9月は、東日本や西日本を中心に猛烈な暑さとなる日もあり、厳しい残暑が続く見込みだという。

注目情報

PR
追悼