新型コロナ「お盆」に東北で激増 前週比で秋田2.4倍、岩手と福島1.8倍

   いったん横ばい状態になっていた新型コロナウイルスの新規感染者数が、2023年8月中旬以降、再び増えている。お盆期間を含む1週間(8月14~20日)の調査では、とくに東北地方の急増ぶりが目立っている。「第8波並み」「第8波を上回った」「9波に入った」など、各県の担当者は警戒感を強めている。

お盆のあと、2~3週間は要注意
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ピーク時の沖縄並み

   秋田県の1医療機関あたりの感染者は28.48人。前の週の2.4倍と急激に増加した。

   ABS秋田放送によると、全県的に増えているが、保健所別でみると、秋田市が40.27人と最も多くなっている。40人台というのは、今回のピーク時の沖縄並みだ。

   ひとつの施設で10人以上の感染者が出た「集団発生」も、高齢者施設を中心に県内14か所で確認されている。

   朝日新聞によると、秋田県医師会の小泉ひろみ会長は23日、記者会見を開き、「5類移行で感染対策への配慮が薄くなっていることが懸念される。感染症は終わっていないという意識をいま一度持ってほしい」と訴えた。現在の感染の広がりについて、「9波と言える」と語り、今後2~3週間で感染者数の増加のピークを迎える見込みという。

第8波を超えた

   岩手県でも急増ぶりが目立つ。新規患者数は、1医療機関あたり30.42人。東北の中でもトップだ。前の週の1.8倍になった。

   岩手県は23日、緊急の会見を開いた。岩手めんこいテレビによると、県保健福祉部の野原勝部長は「お盆の後の数値になるから、人の往来とか普段会わない人と会う機会は、どうしてもこの期間多くなるので、そういったことが影響していると考えている」と語った。「引き続き、場面に応じた適切な感染対策に取り組んでいただくようお願いします」と県民に訴えている。

   このほか青森県は25.93人。こちらも前の週の16.52人から大幅に増えた。参考値での比較になるが、第8波だった1月上旬の18.77人を超えている。 福島県は、25.27人。前の週の1.76倍。福島テレビによると、感染の第8波に入った2022年11月とほぼ同じ水準になった。

   ただし、東北各県とも現在のところ病床使用率は低水準にとどまっている。医療ひっ迫という状態にはなっていない。ただ、感染増から少し遅れて、重症者や病床使用率は増えることが分かっているので、各県とも警戒を強めている。

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