「AI秘書」サービス誕生 予定管理、飲食店探し、おすすめ映画も聞けちゃう
今日のスケジュールを聞けばすぐに答え、接待におすすめの飲食店も教えてくれる敏腕秘書が、専属でつく。そんな体験ができるAI(人工知能)サービスが登場した。「バーチャルアシスタント(AI秘書)」サービスの「Automagica(オートマジカ)」だ。
運営の「lilo」(滋賀県草津市)広報に取材すると、今後は「ロゴ制作などのデザイン業務」「タクシー手配などの秘書業務」「競合リサーチなどの営業支援業務」など雑務依頼にも対応するという。全ビジネスパーソンに「1人1秘書」――。liloは2023年8月22日付発表でこう掲げる。
モード選択で、回答精度「劇的に上がる」
Automagicaはウェブブラウザーや「iOS」(iPhone)アプリから利用可能だ。8月22日に「正式版」として配信開始した。発表によると、同日から「数時間はリリース記念として全機能が無料」。今後、有料サービスが導入されるとみられる。
iOS版を試してみよう。AIと2回以上やりとりするには会員登録が必要だ。起動すると、画面に女性キャラクターが表示された。
画面上部のタブから、AIの「モード」を選ぶ。22日現在は、「ホーム」「お悩み相談」「Web検索」「飲食店さがし」の4種類がある。アプリ内の使用方法説明によると、AIに依頼したい内容に適したモードにすると、回答の精度が「劇的に上がる」。
AIとのやりとりはチャット形式。テキストか、音声入力で指示できる。またモードを選ぶと、AIに送るメッセージの候補文が複数出現する。候補をタップすると、キーボードや音声入力せずともスムーズに指示が可能だ。
例えばAIとの日常会話に適した「ホーム」のモードでは、「おすすめのコメディ映画はありますか?」との候補文が出てきた。AIは、戦闘機によるドッグファイトを描いた映画「トップガン」をおすすめしてきた。コメディ映画に該当するか微妙なところだが、やりとりの口調や文法自体は、人と会話しているかのように自然だ。
AIは、全文章を読み上げる、いわゆる「フルボイス」ではないものの、回答時には「そうですね」などと、相づちのように声を発する。
エリア、予算をもとに飲食店を検索
スケジュール管理モードを選ぶと、スケジュールアプリ「Googleカレンダー」との連携を求められる。連携させると、ユーザーがあらかじめGoogleカレンダーに登録した情報を認識してくれる。たとえば「明日の予定は?」と入力すると、「13:00-14:00 打ち合わせ(新宿)」とすぐに教えてくれた。
「飲食店さがし」モードは、特に便利かもしれない。まず、デートや知人との食事など、どのようなシチュエーションで食事するか入力。すると、店を探したいエリアを聞かれた。
記者が「四谷」(東京都新宿区)と答えると、今度は食事のジャンルを質問してきた。「和食」と答え、最後は希望の予算帯を求められた。
「安い」を入力すると、条件をもとに四谷付近の飲食店を3か所教えてくれた。Google検索に備わったレビュー機能を参考に、ユーザーがこれまでに寄せた評価内容を要約して教えてくれる。例えば、フグを扱う和食店について、5段階中の評定平均や、フグの唐揚げが名物だということ、ランチも提供しているとの情報を伝えてくれた。
先述通り、lilo広報によると、他にも雑務を依頼できるモードを開発準備中だ。AIとしては、基本的に米OpenAIの大規模言語モデル「GPT」をファインチューニング(調整)したものを使用していると語った。
また上述の発表によると、今後はAIのキャラクター選択(見た目、声、性格、口調)も可能になる予定だ。