そんなとこに出すの!? まんがたり代表もビックリ「WEBTOON広告」戦略

【すばらトゥーン】
スマートフォンで読むのに最適化されたフルカラーの縦読み漫画、「WEBTOON」。韓国発のコンテンツだが、昨今は国産作品の台頭もめざましい。
ナンバーナインが運営するWEBTOON制作スタジオ「Studio No.9」の漫画編集者・遠藤さんをメインパーソナリティに迎え、ツイッター(現、X)のスペースで「国産のすばらしいWEBTOON作品とホットトピックを紹介する番組」を実施。記事では模様をダイジェストでお届けする。

   第四回のゲストは、漫画家芸能プロダクション・まんがたり(東京都千代田区)代表取締役の前田雄太さん。「誰もがマンガで幸せに」を標語として活動する漫画のプロが、遠藤さんと共におすすめのWEBTOON作品を紹介してくれた。

(左から)「Studio No.9」の漫画編集者・遠藤さん、まんがたり・前田さん
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「レンタル旦那」、倫理的にアウト?それとも

   まずは、前田さんが推す二冊から(カッコ内は、スペースで言及した時間。詳細に聞きたい場合は、リンク先のアーカイブを参照のこと)。

(1)レンタル旦那なら浮気にならない(8:03~)

前田さんによる、あらすじ説明:現代に生きる、純真無垢な社長令嬢が主人公。世間を知るべく、唯一就職できた『家事代行サービス業』へ。実はその会社、夫との生活がうまくいかず心が傷ついている女性向けに、積極的な接触を図る「レンタル旦那」サービスも提供していて...

「あでやかな着色を用いた、意欲的な心情表現が見事。キャラクターの本音と建て前をはじめ、結婚の『理想と現実』、『レンタル旦那』サービスについての倫理観など、多様な思いと価値観が交錯する。読者に『あなたはどう考えますか』と問う作品」(前田さん)
「人間の『いけないことに対しての憧れ、怖いもの見たさ』を巧みに刺激している。女性向けWEBTOON作品は『正ヒーロー』がメインであることが多いが、今作には色々な男性キャラが登場し、いわゆる『乙女ゲーム風の世界観』を演出している。カラーが本当に繊細で、一人で書いているとは思えないほど」(遠藤さん)

(2)おデブ悪女に転生したら、なぜかラスボス王子様に執着されています(29:19~)

前田さんによる、あらすじ説明:まじめな性格の女性が、異世界の「悪女」に転生。ふくよかな体型だったため、努力して痩せ、美しくなるところから始まる。周りにも優しく接するようになり、ある日、行き倒れの少年を助ける。その少年は一体何者なのか...

「少年が誰なのか、プロローグで大体の設定の雰囲気は見える。恋愛模様がどのように発展するかに加え、ストーリーに謎を入れたうえで引っ張っていく展開が見事」(前田さん)
「タイトルの『なぜか』に注目。自分で努力して勝ち得たわけではない、というニュアンスで『漫画の中でくらい、都合よくいきたい』気持ちをくすぐる。『デブ』でなく『おデブ』と、かわいい感じの表現なのも女性にとってうれしいポイントでは」(遠藤さん)

   続いて、遠藤さんのおすすめ作品は下記の通り。

・スーパーストリング -異世界見聞録-(20:55~)

LINEマンガ」より、あらすじ:人類の存亡と家族の安全、守るべきはどちらなのか。答えのない問いに追われるマルコの旅の果てに、待ち受けるものとは...! 「新暗行御史」尹仁完(原作)×「Dr.STONE」Boichi(作画)が描く超説超次元アクション!

「『週刊少年サンデー』(紙)と『LINEマンガ』(WEB)に同時連載しており、WEBTOONとしては初の試み。紙面でどう見せるか、視線誘導や魅力的な構図についてよく意識していることが伝わる。『すごい作画を見たい!』人におすすめ」(遠藤さん)
「見た瞬間にBoichiさんが手掛けたとわかる、味のある作画で、画面の迫力がすごい。話の展開が、色々なところにすごいスピード感でもっていく」(前田さん)

エスカレーターで漫画が読めちゃう!?

   続いて「WEBTOON HOTPIC」。今回取り上げたのは下記の3トピックだ。

1.その手があったか! WEBTOON×「エスカレーター広告」(36:09~)
2.「ウマ娘」「モンスト」抑えて1位!? 「ピッコマ」があるランキングで首位に(52:10~)
3.アニメ「俺だけレベルアップな件」 声優情報やPVが続々発表。 WEBTOON作品のアニメ化、どうなる(59:45~)

   前田さんが、特に興奮気味に言及したのが1の「エスカレーター広告」。新宿某所にあるエスカレーターのベルト(手すり)を、国産WEBTOON作品がジャックした、という話題だ。

   何を隠そう、遠藤さんは仕掛け人の一人。「Studio No.9」が手掛ける現代バトルファンタジー「神血の救世主」の新たな宣伝方法として、なぜエスカレーターを選んだのか、広告制作の舞台裏はどうだったかなど、赤裸々に語ってくれた。

   曰く「単にスクリーンショットを並べただけではなく、めちゃくちゃ手間をかけた」そう。しかもストーリーを最初から読ませようとするのではなく、むしろ「最新話の方からピックアップしていった」と明かす。その心は(42:30~)。

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