福井県立大「恐竜学部」できる 近くに発掘現場、VR駆使して研究も

   夏休みになると、全国各地で大規模な恐竜イベントが開かれる。今年も、東京ミッドタウンの「DinoScience 恐竜科学博」などが親子連れでにぎわっている。

   そんな恐竜ファンに、うれしいニュースがある。福井県立大学に、「恐竜学部」(仮称)が誕生する。本格的に恐竜学や古生物学、地質・古気候学などを学ぶことができる全国初の専門学部だ。

JR福井駅前には恐竜モニュメントが
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恐竜博物館に隣接

   福井県は、「恐竜王国」として知られる。日本の恐竜化石の約8割は、同県内で発見されている。JR福井駅の西口には「恐竜広場」があり、実物大に再現された巨大恐竜のモニュメントが観光客を出迎えてくれる。

   2000年には、同県の勝山市に、県立恐竜博物館がオープンしている。日本初の本格的な恐竜博物館だ。

   「恐竜学部」は、この博物館に隣接した場所に新設される。入学定員は30人。恐竜・地質学科に、恐竜・古生物コースと地質・古環境コースを設ける予定だ。

   校舎から車で15分ほどのところには、日本有数の恐竜発掘現場がある。これまでに多くの恐竜化石が見つかっている。そこで学生は化石の発掘作業などを実体験できる。「教室」と「現場」が極めて近い。

   しかも、上記の恐竜博物館と隣接しているので、さまざまな形で連携する予定だ。施設や研究機器の相互利用、研究員による授業などのほか、VR(仮想現実)など先端技術を駆使したデジタル古生物学研究にも力を入れる。

恐竜に「フクイ」の名

   名古屋市で2023年7月2日に開かれた大学進学セミナーには、新設予定の「恐竜学部」も参加した。学部の説明のほか、恐竜が生きていた世界や地質に関連する情報をVRゴーグルで体験できるコーナーも設けた。恐竜に関心がある受験生獲得に力を入れている。

   卒業後の就職先としては、研究者、学芸員、教員など。さらには、ジオパークなどの観光業、地質・土木・建築系コンサルタント、土木系公務員、ゼネコンなど建設産業などが想定されている。

   福井県では1989年から始まった調査で、後に「フクイサウルス」と名付けられる立派な恐竜化石が発見された。94年には全身骨格が復元され、2003年に新属新種の恐竜として登録された。

   このほか「フクイラプトル」、「フクイベナートル」、「フクイティタン」など、「フクイ」の名が付けられている恐竜化石は多い。13年には、県立大の付属施設として「恐竜学研究所」も設けられている。

   恐竜学部の新設で、恐竜王国・福井はさらに注目を集めることになりそうだ。

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