北川星瑠は陸上と芸能活動の二刀流 ハーフマラソンで世界学生女王に

   陸上女子に新たなヒロインが登場している。大阪芸術大学舞台芸術学部4年の北川星瑠(ひかる)さん。中国・成都で2023年8月6日に行われたFISUワールドユニバーシティゲームズのハーフマラソンで優勝した。北川さんは現在、芸能事務所の「松竹芸能」(本社・大阪)にも所属し、女優・タレント活動との両立を目指す異色のランナーだ。

ハーフマラソンで優勝した北川星瑠選手(写真:アフロ)
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日本代表として出場

   FISUワールドユニバーシティゲームズは、国際大学スポーツ連盟(FISU)が主催する学生を対象にした国際総合競技大会。2年ごとに開催される。以前は「ユニバーシアード競技大会」として知られたが、2021年から名称が変わった。

   北川さんは女子のハーフマラソンに、日本代表の一人として出場した。サンケイスポーツによると、一時は先頭から離されたが、しぶとく粘って残り数百メートルで猛烈にスパート、逆転した。タイムは1時間13分17秒。2位のトルコの選手に14秒の差をつけた。3位もトルコの選手だった。

   大会にはフルマラソンがなく、ハーフが最長距離。日の丸を背負って、世界の女子学生選手の長距離チャンピオンになった。

   今シーズンは絶好調。3月の日本学生女子ハーフマラソンで、日本学生歴代7位の1時間10分50秒で優勝して今大会の出場権をつかんでいた。5月の関西インカレでは5000メートル、1万メートルの二冠を獲得している。

大学ではミュージカル

   北川さんは滋賀県出身。幼少期は子役として芸能活動。CMやバラエティー番組に出演していた。中学時代はバトミントン部。比叡山高校時代は陸上部に属し、3年連続で全国高校駅伝に出場した。

   北川さんの走力に注目したのが、大阪芸術大学駅伝部の中瀬洋一監督。かつては長距離選手として活躍し、のちに高橋尚子選手らを育てた小出義男監督の下でコーチも経験した指導者だ。

   読売テレビによると、地方大会でたまたま北川さんを見て「この子は伸びる」と注目。ネットで名前を検索したら、芸能活動と接点があることが分かり、「芸大なら芸能を学べる学科があるのでぜひ来てほしい」と誘ったという。

   1年生の時から、大学駅伝などでは中心メンバーとして活躍。大学ではミュージカルなどを学び、3年の時は「キャッツ」の学内公演にも参加している。

「芸能界最速女子を目指します」

   23年7月20日、大手芸能事務所の「松竹芸能」への所属が発表され、記者会見も開かれた。会場では、「走るタレント」として有名な森脇健児さんが立会人として同席。「年末に芸能事務所などが駅伝No.1を争う関西テレビの番組には出てもらいます、即戦力です」と紹介した。

   北川さんは「陸上も芸能活動も頑張りたい。芸能界最速女子を目指します」と抱負を語った。TBS「オールスター感謝祭」の名物企画「赤坂五丁目ミニマラソン」への出場意欲もあるという。

   特技は料理。レシピを見なくても、大概の料理は作れる。自分で新たなレシピも考案している。アスリートとして、調味料や食材は体に良いものを選ぶようにこだわっているという。グルメ番組や健康番組でも、出演のチャンスがありそうだ。

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