「12万年ぶり」の暑さになる夏 5月から猛暑日、熱中症が続出
「過去120年で最も暑い」「地球『12万年ぶりの暑さ』」――猛暑日が続く中で、さらに暑さが増しそうなニュースが続いている。全国紙が1面トップで書いている。地球温暖化の影響で、今年の8月はもちろん、これからも毎年のように暑い夏が続く見通しだという。
45年ぶりに記録を更新
2023年8月2日の朝日新聞によると、今年7月の日本の平均気温は25.96度。19世紀末に近代的な観測が始まって以降、最も高かった。気象庁の観測データの分析から分かった。朝刊の1面トップ記事だ。
これまで最も暑かったのは1978年だった。今年、45年ぶりに最高記録を更新した。地球温暖化の影響で気温が上がりやすくなっていたことに加え、7月下旬にフィリピン周辺を台風が立て続けに通過し、太平洋高気圧の勢力が強まって気温が上がったとみられている。
7月31日の日経新聞夕刊一面トップは、「地球『12万年ぶりの暑さ』」。世界気象機関(WMO)と欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気象変動サービス」が、今年7月の世界の平均気温は観測史上最高になる見通しだと発表したことを伝えた。
同紙はこの記事の中でさらに、海外の古気象学の研究者に取材。地層やサンゴ、アイスコア(氷床のサンプル)類に保存されている数十万年分の気泡やちりなどの分析から、「世界の平均気温はおよそ12万年ぶりの最高気温を記録」と報じている。
「著しい高温」となる可能性
朝日新聞によると、この126年間で、7月の平均気温は1.5度ほど上がった。特に2000年以降は気温の上がり方が急激になっている。最高気温が35度以上の猛暑日は、1920年ごろまではゼロの年もあったが、2000年ごろから急に増え始めた。
今年7月の東京では、猛暑日が13日もあった。これまでは2001年の7日が最多だったので、大きく更新した。
猛暑は、最近では夏前から始まるようになっている。NHKによると、今年5月に熱中症で病院に搬送された人は全国で3600人余り。6月は1万5657人搬送され、17人が死亡した。
消防庁の速報では、7月は、3日から30日の4週間では、全国でおよそ3万3000人が熱中症で搬送された。都内では7月に入って27日までに、熱中症の疑いで40代から90代の男女あわせて70人の死亡が確認されている。
日本気象協会によると、気象庁は7月31日、「高温に関する早期天候情報」を発表している。これは、その時期としては「10年に1度」程度しか起きないような「著しい高温」となる可能性が、いつもより高まっているときに、6日前までに注意を呼びかける情報だ。
それによると、北海道・東北・北陸・関東甲信は8月6日ごろから、東海・近畿・中国・四国・九州北部は8日ごろから「かなりの高温」が予想されるという。