「メタバースの何が楽しいか」に切り込む 「バーチャ場」オープン記念トーク
メタバース。実際に体験した人は、どれほどいるだろうか。「『VRゴーグル』がないとダメでしょ」、「そもそもメタバースって、はやっているの」――こんな声を、聞いたことがあるかもしれない。
2023年7月15日にオープンしたメタバース空間「バーチャ場(ばーちゃば)」で、こうした疑問に答えるトークショーが同日夜、開かれた。メインスピーカーの「ぴちきょ」さんは、メタバースにおける企業のプロデュースやコンテンツ制作、コンサルティングを手掛ける企業の代表。タイトルはズバリ「メタバースって結局何が楽しいの?」だ。
「一人でも楽しむ方法」がある
1時間ほどのトークショーは、バーチャ場オープンを記念するもの。メタバース空間ながら、VRゴーグルなど専用機材や専用アカウント不要なのが、大きな特徴だ。パソコンやスマートフォンのウェブブラウザ―から、容易にアクセスできる。
進行役の「VR記者カスマル」が質問し、ぴちきょさんが答える形で行われた。一般ユーザーが本当にVRやメタバースを楽しむうえで、まずは「Vket Cloudやclusterなど、ブラウザーやスマートフォンから入れるメタバース」を勧めた。参加者同士で話したり、一緒の時間を共有したりして「楽しい」と思えたら、さらにリッチな体験ができるメタバースを体験するとよいという。また先導者がいないと、「面白い」までたどり着くのが難しい。VRに詳しい「先輩」に案内を頼むと、楽しみ方が理解しやすくなる。
メタバース上で、知らない相手にいきなり話しかけられるのを好まない人もいる。ぴちきょさんはメタバース「VRChat」を例に、「一人でも楽しむ方法」を伝授。「美しいワールド」を一人旅する、カメラの性能が優れているので撮影を堪能する、さらに、アバターをおしゃれにするような「創作活動」をする、といったものだ。
「メタバースはオワコン」をバッサリ
講演する「ぴちきょ」さん(YouTube動画より)
「メタバースはオワコン」「Meta社がメタバース撤退か」といった報道や見方にも、切り込んだ。ぴちきょさんは、「あくまでメディアが言っていることと、それを鵜呑みにしている人の見解。本当の『現場』を知らない人の声が大きいだけで、あまり気にしなくていい」とバッサリ。一方で、ツールとしてのメタバースをビジネスでどう活用していくか、真剣に考えている企業が実際にあると説明した。
メタバースは、定義があいまいなまま急速に広まる「バズワード」になった。その後は「幻滅期」を経て、社会に受け入れられるにはさらに10年、20年かかるとみる。大多数の人はまだメタバースに興味を持っていない段階で、「今も助走期間」という指摘だった。
参加者からは「メタバース初心者が友達を探すには」といった質問が寄せられた。ぴちきょさんの回答は? 詳しくは、動画アーカイブ(https://www.youtube.com/watch?v=LIi19_t0QPM)で。