すかいらーく「やさしい日本語」が親切 監修したのは外国人アルバイト

「ご飯(はん)が 1食(しょく)356円(えん)で 1日(にち)2回(かい)まで 安(やす)く食(た)べられます」

   ファミリーレストランチェーン「ガスト」などを展開する「すかいらーくホールディングス」(武蔵野市)の公式サイトに掲載されている、「外国人アルバイト特集」にある「食費補助」の説明だ。ツイッターでは、「やさしい日本語」と呼ばれ、「分かりやすい」と評価された。「やさしい日本語」とは、東京都生活文化スポーツ局の公式サイトによると、「外国人等にも分かるように配慮して、簡単にした日本語」だ。

すかいらーくホールディングス本社(写真:アフロ)
すかいらーくグループ・公式サイト「外国人アルバイト特集」ページより
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ひらがな「だけ」より分かりやすいのは

   冒頭の文章だけではない。例えば、交通費の説明。

「家(いえ)から 店(みせ)までの 電車(でんしゃ)のお金(かね)が 1か月(げつ) 最大(さいだい)で 2万円(まんえん)まで もらえます」

   このように「交通費」という語句を使わず、平易な表現に置き換えている。

   J-CASTトレンドは、すかいらーくホールディングスにメール取材した。回答した広報によると、人材採用・育成の上で、外国籍の人が働きやすい環境を整備する重要性を感じ、応募者が分かりやすいサイトへの見直しを進めた。2022年4月に外国人向けの応募ページを新設、23年5月から現在の仕様にリニューアルしたという。

   この時、長い説明文は削除し、内容を半分に絞った。さらに、文字は簡単な漢字とひらがなを使って、分かりやすい表現に変更した。

   実は変更にあたり、専門家の指導や監修を受けたわけではない。店舗で働く外国人アルバイトや、外国人アルバイトを採用している店長にヒアリングのうえ、表現を改めていったのだ。広報によると、

「ひらがなのみのほうが分かりやすいのではないか、と思っていましたが、簡単な漢字を入れる、文章にスペースを入れた方が読みやすい、メリットなどが分かりやすく書いてあるほうが興味深い、との意見が多かったため取り入れました。また『お店』(の『お』)や『ご案内』(の『ご』)などの接頭語も分からないとの意見が多く、削除いたしました」

と、意外な発見もあったよう。今後も外国人に寄り添った内容に随時アップデートしていきたいという。

画像でも分かりやすく

   変えたのは、テキスト表現だけではない。

「外国人の方が興味のある職種やメリットを記載し、働いている様子を画像で分かりやすく掲載したり、多言語での表現を盛り込むなど取り組んでいます」

   応募者数の変化については、改修して間もないため明確な数値変化は示せないが、「徐々に増加している」と答えた。また、実際に働く外国人アルバイトからも、「非常に分かりやすくなった」と好評だという。

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