コロナ拡大「ピーク見通せない」沖縄 鹿児島では高校野球の開会式中止

   新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。特に沖縄では、2022年夏の第7波を上回るような感染状況となっている。鹿児島県では23年7月1日に予定されていた高校野球の開会式が中止となった。

高校野球にも影響が(写真と本文は関係ありません)
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救急医療や手術に影響

   沖縄県の発表によると、沖縄は2023年6月25日までの1週間で、1医療機関あたりの新型コロナの患者数は39.48人。前の週の1.37倍に増加した。入院患者は計744人(重症者11人)。琉球新報によると、29日昼時点では約920人となっており、病床使用率が一段と高まっている。

   RBC琉球放送によると、県医師会は29日に緊急の記者会見を開き、医療現場の現状を説明した。

   救急医療が特にひっ迫している。そのため、発熱した場合、すぐに救急外来を受診せず日中のうちにかかりつけ医に相談することや、検査や診断書の発行を目的とした救急病院の受診を控えるよう県民に協力を求めた。

   県内では29日時点で6つの病院で救急診療を、5つの病院で一般診療を制限し、8つの病院で手術を延期する事態となっている。

   新型コロナの感染状況は昨年夏の「第7波」を凌ぐ勢いで、今後どれくらい増えるのかピークが見通せない状況だという。

インフルやヘルパンギーナが同時流行

   九州南部でも感染が広がっている。

   MRT宮崎放送によると、宮崎県内で6月25日までの1週間に確認された感染者の数は、1医療機関あたり7.2人。前の週の1.23倍になった。県は、県内の7つの圏域ごとに4段階で色分けし、感染状況に応じた注意喚起を行っているが、5つの圏域が1医療機関当たり5人以上の「黄色」となっている。

   鹿児島県高校野球連盟は6月28日、7月1日に予定していた夏の高校野球の開会式を中止することを発表した。

   同県内では、コロナに加えて、インフルエンザ、夏かぜのヘルパンギーナが同時流行している。中止の理由について連盟は、「インフルエンザやコロナなどの感染症の流行が増加傾向にあり、感染拡大の観点から」としている。

「引き続き感染対策を」

   全国的には、長野、福島、鳥取、島根など、1医療機関あたりの感染者が前の週よりも増えている県が多いが、横ばいや微減の県でも警戒感を強めている。

   仙台放送によると、宮城県では、18日までに確認された感染者数が4.89人に留まり、2週連続の減少となっている。

   しかし、仙台市内の下水中のウイルス量から翌週1週間の感染者数を予測する調査によると、下水中のウイルス量は、ここ2週間で急増している。東北大学の佐野大輔教授などの研究グループは、「去年11月中旬にあった第8波の入り口のレベルに達している」と分析している。

   北海道の6月19日から25日までの新規感染者数は、5.23人。3週連続で前の週を下回っている。HBCニュース北海道によると、北海道の感染症対策連絡本部は、「全国的には、増加傾向にあるので、引き続き注視が必要」「夏の行楽シーズンもまもなく本番、引き続き感染対策を心がけて欲しい」とコメントしている。

   厚生労働省は6月30日、先週1週間の全国の定点医療機関あたりの患者数を公表した。それによると、前の週の5.60人から約1.09倍の6.13人に増えた。7週連続で増加している。沖縄以外では、鹿児島県の11.71人、熊本県の8.75人などが目立っている。

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