女子大と短大が消えていく 少子化・定員割れで募集停止、閉校相次ぐ

   女子大や短大の募集停止、閉校が目立っている。恵泉女学園大(東京都多摩市)、神戸海星女子学院大(神戸市灘区)、上智大学短期大学部(神奈川県秦野市)、岐阜聖徳学園大短大部(岐阜市中鶉)・・・。入学者数の定員割れが続いていたため、苦渋の決断を強いられたようだ。

女子大、短大が減少(写真と記事は関係ありません)
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共学・大規模校志向も影響

   恵泉女学園大学・大学院は3月22日、2024年以降の学生募集停止を公表した。18歳人口の減少、とくに近年は共学志向など社会情勢の変化の中で、入学者数の定員割れが続いたことを理由としている。「存続のためにあらゆる可能性を模索し、将来のありかたについて慎重に検討を重ねてまいりましたが、このたび閉学を前提とした募集停止という苦渋の決断に至りました」とウェブサイトに記している。

   神戸海星女子学院大学も4月17日、24年度以降の学生募集を停止すると発表した。学生がすべて卒業する27年3月に閉校する予定だという。

   大学側は朝日新聞の取材に、「18歳人口の減少、特に近年の女子の実学志向、共学志向、大規模校志向などで定員確保に苦慮してきた」と理由を説明。担当者は「在学生への責任を果たすため、このタイミングで苦渋の決断をした」と話している。

共学化で生き残り模索も

   短大でも同じような動きが続いている。

   上智大学短期大学部は4月19日、25年度から学生募集を停止すると発表した。24年度に入学した学生の卒業で閉校するという。運営する上智学院は、読売新聞の取材に、「18歳人口の減少や女子の共学、4年制大学志向もあり、今後も定員充足が難しいと判断した」としている。

   毎日新聞によると、岐阜聖徳学園大短期大学部も26年3月末で閉校の予定だ。少子化や保育職を希望する学生の減少傾向が理由で、学生募集を今年度から順次停止する。

   同紙によると、短大部は1966年に岐阜南女子短大として開学。現在は保育士などを目指す2年制の幼児教育学科第一部(定員200人)と、午前のみの授業で3年制の同第三部(同150人)が設置されている。ここ数年は定員割れが続き、志願者も減少傾向にあるという。

   東京都内の女子大では、町田市の東京女学館大が17年に閉学した。一方、共学化で生き残りを目指す大学もある。今春には、神戸親和女子大学(神戸市)と鹿児島純心女子大学(鹿児島市)が共学の「神戸親和大学」「鹿児島純心大学」になった。

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