コロナ今も毎日1万人の新規感染者 大型連休、「5類」移行後の不安
新型コロナウイルスへの対応策がまもなく大きく変わる。政府は、感染法上の分類を2023年5月8日から、季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げると決めている。しかし、コロナが消えたわけではない。今も毎日1万人前後の新規感染者が報告されている。多くの人がマスクを外すようになると、5月中旬にかけて再び感染者数が増えるという予想もある。
感染者数は微増傾向
4月24日、全国の新たな感染者は1万2475人。テレビ朝日によると、東京都では1909人。先週の火曜日より213人増えて、9日連続で前の週の同じ曜日を上回った。直近1週間の感染者の平均は1357人。前の週と比べて118%となっている。
一時に比べると大きく減少したが、ゼロになったわけではない。毎日1万人前後が感染し、むしろ、わずかずつだが増えつつある。やや不気味な状態だ。
今後はどうなるのか--。少し前の記事になるが、読売新聞は4月3日、都内の新型コロナウイルスの感染者数を人工知能(AI)で予測している名古屋工業大の研究チームの分析と推計を紹介している。それによると、5月上旬~中旬、東京都内で新たな感染のピークを迎える可能性があるという。
ただし、ピークの1日当たりの新規感染者数(1週間平均)は8波を下回り、マスクの着用率が高いほど、感染の波を低く抑えられる。
マスク着用が2割の場合、5月9日頃がピークで、1日当たりの新規感染者数は8波(1万7423人)の48%にあたる約8300人。半数だと26%の約4600人(ピークは5月14日)で、着用状況が緩和前と同じだと、15%の約2600人(ピークは同月9日)だという。
免疫獲得者が少ない
NHKによると、新型コロナウイルス対策について助言する厚生労働省の専門家会合は 4月19日、5月の大型連休明けに感染が拡大することがあり得ると分析。さらに専門家会合の有志は、「第8波」を超える規模の「第9波」が起きる可能性があるとする文書をまとめた。
感染者数が全国的に緩やかな増加傾向にあることを踏まえたもの。接触機会が多くなる大型連休が明けたあとで感染が拡大し、いったん減少するものの、再び夏に向けて感染拡大が起きる可能性があるとしている。
日本国内では新型コロナへの感染によって獲得した免疫を持つ人は、2月から3月の段階で32.1%。世界的に見て、割合が低いことなどから、第9波は第8波より大きな規模になる可能性が残されている。また、日本は高齢化率が高く、仮にワクチンの接種率が上がらないまま、感染の規模が大きくなるとすると、亡くなる人の数は高齢者を中心に海外と比べて多い状況で推移する可能性があるという。