「戦場のメリークリスマス」でメガホン 「没後10年 映画監督 大島渚」イベント
大島渚監督(1932~2013)が亡くなって10年。大規模な回顧上映会と記念の展覧会が2023年4月11日から東京・京橋の国立映画アーカイブで始まる。題して「没後10年 映画監督 大島渚」。多数の問題作で世界的に注目された大島監督の作品群と、膨大な資料を通して、創作の裏側にも迫る貴重なイベントだ。
短編も含む45作品
上映されるのは、松竹時代の『青春残酷物語』(1960)や『日本の夜と霧』(1960)のほか、自ら興したプロダクション「創造社」を基盤に次々と送り出された『絞死刑』(1968)、『少年』(1969)、『儀式』(1971)といった問題作。さらには、世界をセンセーションに巻き込んだ国際的合作『愛のコリーダ』(1976)や『戦場のメリークリスマス』(1983)など。
また、長編デビュー以前に手がけた新人スター紹介用の短編『明日の太陽』、脚本を担当した『月見草』や『どんと行こうぜ』(いずれも1959)、同館が新規収蔵したテレビ映画『アジアの曙』全13話(1964-65)を含む計45作品(34プログラム)も含まれる。
チケット料金は一般520円/高校・大学生・65歳以上310円/小・中学生100円。
『愛のコリーダ』は成人映画なので、小・中学生券はない。また成人映画上映の際は、女性専用席を設ける。チケットは4月4日以降、毎週火曜日10時から、翌週(火~日)上映回の電子チケットを同館公式チケットサイトで各回の開映15分前までオンライン販売する。会期は5月28日まで。
坂本龍一さんの音楽の視聴も
展覧会は、監督が自ら体系的に遺した膨大な作品資料や個人資料をベースに、多数の問題作を生み出した監督の知性と行動に迫るもの。以下の構成になっている。
第1章 出生から学生時代、そして撮影所へ 第2章 ヌーヴェル・ヴァーグの旗手として 第3章 松竹退社と模索の季節 第4章 独立プロ・創造社の挑戦 第5章 創造社の解散と国際的活躍 第6章 大島映画の美的参謀、戸田重昌 第7章 幻の企画と晩年
会場では、大島監督作品劇場予告編集のほか、大島映画を彩った五人の作曲家たち(真鍋理一郎、林光、武満徹、三木稔、坂本龍一)の音楽も視聴でき、大島の作品世界を映像・音響の両方から体験できる。
会場は国立映画アーカイブ 展示室(7階)。会期は8月6日まで。料金は一般250円/大学生130円。