「WEBTOON」今のうちに知っておこう 漫画編集者が解説「すばらトゥーン」
スマートフォン(スマホ)で読むのに最適化されたフルカラーの縦読み漫画、「WEBTOON」。韓国発のコンテンツだが、昨今は国産作品も台頭し、「LINEマンガ」など大手マンガアプリでの人気ランキング上位入りも珍しくない。これからますます発展する可能性を秘めている。
J-CASTトレンドでは、WEBTOON制作スタジオ「Studio No.9」の漫画編集者・遠藤さんをメインパーソナリティに迎え、「国産のすばらしいWEBTOON作品とホットトピックを紹介する番組」、略称「#すばらトゥーン」を、2023年3月20日にツイッターのスペースで実施した。模様をダイジェストでお伝えする。
ヒット作連発の実力派レーベル
番組は「遠藤さんおすすめのWEBTOON作品3選」、「WEBTOON HOTPIC」の二本立て。
まず、おすすめ作品は下記の通りだ。
(1)俺だけレベルMAXなビギナー(韓国産) (2)晴天のデルタブイ(国産) (3)2周目冒険者は隠しクラス〈重力使い〉で最強を目指す(国産)
(1)は、WEBTOONをよく知らない人に「まずはこれ」と言える一冊。(2)は「通」な一冊で、(3)は、今アツい一冊を選んでもらった。
(2)は民間ロケット開発をテーマにした、ヒューマンドラマ。液体燃料ロケット開発を行う、インターステラテクノロジズ(北海道大樹町)の実話がもとだ。ナンバーナインが制作にかかわっている。
「広告代理店を舞台にした漫画『左ききのエレン』を手掛けた、かっぴーさんが原作者。横開き漫画で大ヒットした作家さんが、WEBTOONに関わる例はまだ珍しいです」(遠藤さん)
(3)は元S級冒険者が2周目の冒険で「重力使い」という職業を選択して活躍する、WEBTOONの定番人気ジャンル「ファンタジーバトルもの」だ。LINEマンガ「総合ランキングで1位」に輝いている。
「制作者に直接聞いたことがあるわけではないですが、『重力使い』という特性は、縦スクロールの動きを最大限生かすためと予想しています」
重力使いである主人公は、重力操作による跳躍や落下を得意とする。必然的に上下運動が多くなり、ページを大きく、長く使った迫力ある演出ができるのだ。遠藤さんも日ごろの制作の中で、WEBTOONの強みを生かすために「意図(識)的に、キャラクターやモノを縦に動かそうと考える」と話す。
なお同作は、HykeComic、ストレートエッジ、Whomorによる合同レーベル「HxSTOON(へクストゥーン)」の作品。遠藤さんによれば、次々にヒットを生み出す実力派レーベルだ。なぜ人気作を連発できるのか、考察はスペースにて。
「アニメ化よりハードルが低い」メディアミックス手法
続いて「WEBTOON HOTPIC」。遠藤さんが気になる、国産WEBTOONを取り巻くホットな話題を深掘りする。
今回のキーワードは、「メディアミックス」だ。作品の認知度を高めるうえで、漫画以外のコンテンツへの展開は欠かせない。
遠藤さんが注目したのは、「第2回ジャンプ縦スクロール漫画賞大賞」を受賞した、「ロマンティック・キラー」。22年10月にNetflixで全世界に配信され、国内ランキング1位に輝いた実績がある。
ただアニメ制作には、人手や時間、コストが大きくかかる。
そこで遠藤さんは「アニメ化よりハードルが低い手法」として、音声コンテンツ化を挙げた。ナンバーナインによるWEBTOON作品第一弾『神血の救世主~0.00000001%を引き当て最強へ』を、朗読プロジェクト「トライディア」に、リリースから4か月で公演に仕上げてもらったという。こうした事例はまだ「珍しい」とのこと。
しかも、単なる「朗読劇」ではないそうだ。詳細はスペースで明かしている。