初めての妊娠、安静にしていたら吐き気が 便秘も続いて困っています

【連載】お腹トラブル天国と地獄 ~運命の選択~

   30代の裕子さんは妊娠25週に入り、お腹が大きくなって体の自由がききづらくなってきました。初めての妊娠のため不安も多く、なるべく自宅で安静にするよう努めていました。

   いつもと変わらずに過ごしていたある日、突然の吐き気が......。定期検診では、経過は正常で母子ともに健康と言われています。つわりの時期はとっくに終わったはずなのに。

つわりの時期はとっくに終わったはずなのに
Read more...

改善するべき習慣は

   妊娠してからは、日々の体型の変化など裕子さんにとって初めての体験ばかり。不安なことも多いですが、赤ちゃんの成長に悪い影響を与えないように、食事をはじめ日々の生活であれこれ気をつけています。

   裕子さんは、10代のころからお腹がゆるいことが悩み。突然の腹痛や下痢に悩まされることも多く、常にトイレの心配をしながら生活していました。しかし、妊娠を境に下痢をはじめ排便のトラブルは一切なくなりました。

   しかし、妊娠周期が進んでお腹が大きくなるにつれて、今度はうんちが出づらくなっていきました。裕子さんにとっては、人生初の便秘です。うんちがたまるとお腹にも不快感があり、胎内の赤ちゃんにも影響があるのではないかと不安を感じます。便意を感じてトイレに座るときは、踏ん張って出そうとしますがなかなかすっきり出せません。

   便秘が続いていたある日、つわりの期間はとっくに過ぎたはずにもかかわらず、裕子さんは突然の吐き気に襲われます。吐いてしまえば気持ち悪さはなくなったものの、また吐き気をもよおすかもしれないし、赤ちゃんへの影響が心配です。

   今後、出産までに裕子さんが改善するべき習慣は、「便意があったら多少踏ん張って出す」「とにかく自宅で安静にしている」のどちらでしょうか。

軽度の運動を続けて

   裕子さんの吐き気は、便秘によってうんちがお腹の中に長期間たまり、大量のガスが発生して胃が圧迫されて起こったと考えられます。妊娠によって起こる特別な症状ではなく、便秘が重症化すると誰でも起こる可能性がある症状です。

   妊娠中は、ホルモンバランスの乱れなど一般的に便秘になりやすい条件が揃っています。妊娠中期に入ると、お腹が大きくなるにつれて大腸をはじめとした内臓が子宮に圧迫されるため、より便秘がちになるのです。

   妊娠中の過度な運動はおすすめしませんが、便秘対策として全く運動をしないのはNG。無理のないストレッチや軽度のウオーキングは、便意を促したり、たまったガスを排出したり、腸の活動を活性化してくれる効果が期待できます。

   つまり、改善したほうがよい習慣は「とにかく自宅で安静にしている」。医師から絶対安静の指示が出ている場合を除いて、日常的に体を動かしましょう。

   赤ちゃんが心配で、排便時に踏ん張らないようにしている」という声を聞くことがあります。裕子さんのように妊娠中期であれば、多少の踏ん張りは問題ありません。とはいえ、便秘をしてしまったからといって過度に踏ん張ると、切迫早産や痔の原因になる可能性もあるため注意が必要です。食事改善なども取り入れながら、強く踏ん張らなくても出せる固さのうんちをキープできるように心がけましょう。

   妊娠後期に入ると、踏ん張らないようにする必要が出てきます。妊娠中期の間に排便コントロールが出来るようにしておきたいです。

便秘とうまく付き合う

   妊娠による便秘は、出産に向けた過程で起こるため、ある程度は避けられません。生活習慣を改善してもよくならない場合は、かかりつけ医に必ず相談してください。市販の便秘薬や浣腸などは自己判断で使わないようにしましょう。

   原因がはっきりとわかっている便秘なので、出産後には解消される場合もあります。お腹が苦しくて辛いですが、うまく付き合っていきたいですね。

(文・イラスト:長瀬みなみ)

注目情報

PR
追悼