値上げラッシュの春 3月18日から鉄道運賃、4月は宅配便
値上げラッシュが続いている。2023年3月18日から久しぶりに鉄道各社の値上げが始まるほか、4月からは宅配便も値上げに踏み切る。ロシアのウクライナ侵攻以降、食料品や生活必需品の値上げが目立っていたが、さらに広がる勢いだ。
東京メトロは28年ぶり
共同通信によると、運賃値上げは18日にJR東日本など首都圏の7社が実施し、4月1日までに九州や関西の7社が続く。5月20日にJR四国、10月以降はさらに3社が計画している。
値上げ幅は10~20円が中心。駅のバリアフリー化など安全対策の強化を主な理由としている。新型コロナウイルス禍などで、収益が減少した分の穴埋めを同時に狙う会社もあるとみられている。
東京メトロは、消費税率の上昇時を除くと28年ぶりの値上げ。東急電鉄は2005年以来の値上げ。
宅配便の値上げも予定されている。佐川急便は4月1日から、6年ぶりに「飛脚宅配便(飛脚クール便含む)」「飛脚特定信書便」「飛脚ラージサイズ宅配便」の運賃を値上げする。ヤマト運輸も同3日から宅急便などの運賃を約10%値上げする。
小麦また値上げ
ロシアのウクライナ侵攻の影響を大きく受けた小麦価格は、また値上げになる。FNNによると、政府は3月14日、製粉会社などに売り渡す輸入小麦の4月以降の価格を、5.8%上げると発表した。
小麦は大半が輸入。政府が一括して輸入し製粉会社などに売り渡す仕組み。売り渡し価格は4月と10月、政府による買い付け価格をもとに見直されている。2023年4月の見直しでは、ルール通りに算定した場合、値上げ幅は13.1%となるが、低めに抑えて、5.8%にした。
NHKによると、値上げ幅を抑えた分は、国が負担する。その額はおよそ100億円に上るという
今回の売り渡し価格の引き上げは、食パンでは0.5%、飲食店で食べるラーメンは0.2%、うどんは0.1%の値上げになる。この試算には、小麦を粉に加工する際の生産コストなどが含まれていないため、実際の値上げ幅はこれより大きくなる可能性があるという。
22年4月に輸入小麦の売り渡し価格が17%余り引き上げられた時は、大手パンメーカーの山崎製パン、フジパン、敷島製パンは、食パンや菓子パンなどの価格を7月から値上げしている。