餃子みたいにもちふわ「マンドゥバッグ」 Z世代「簡単に作れて失敗怖くない」
【連載】Z世代のトレンド研究 「Z世代」は、日々どんな情報に注目し、トレンドを追っているのか。 テテマーチ(東京都目黒区)マーケティング研究室「lookey(ルーキー)」のプロジェクトリーダー・川又潤子さんが、Z世代メンバー(同社定義:1995年から2010年生まれ)と共に、はやりのヒト・モノ・コトを取材。人気の秘訣をZ世代の視点で分析し、伝えていく。
もこもことしたフォルムが魅力で、「餃子」に似ていることから名付けられた「マンドゥ(餃子)バッグ」。
今韓国で大流行しているファッションアイテムで、太い糸で編まれているため、丸くころんとした形が特徴です。見た目の可愛さと、簡単に手作りできる点が話題になりました。TikTokでは、「マンドゥバッグ(バックも含む)」のハッシュタグがついた動画の総再生回数が、600万回以上にのぼっています。
今回は、lookeyメンバーで、韓国文化が大好きな武井捺(20歳)、アイドルの推し活をしている神谷菜々子(22歳)、ファッションが大好きな末永あみ(21歳)の3人が、マンドゥバッグ作りに挑戦。人気の秘密を探ります!
材料「糸500グラム」、以上!
まず、手芸用品店で「チャンキーニット糸」と呼ばれる、太めの糸を1人500グラム用意します。必要な材料はなんとこれだけ。
早速YouTubeで、韓国留学中の女性がマンドゥバッグの作り方を紹介している動画を見ながら、サクサクと作業を進める3人。
韓国文化が大好きな武井は、韓国ファッションと合わせやすそうな、アイボリーの毛糸をチョイスしてバッグを作っていきます。
武井「インスタグラムで韓国のストリートファッション情報を探していると、リュックに缶バッジをつけている人をよく見かけます。バッグが完成したら、缶バッジをつけてカスタマイズしたいです」
推し活(=お気に入りのアイドルやキャラクター「推し」を応援する活動)にいそしむ神谷は、メンバーカラーである緑色の毛糸を選びました。「このバッグをライブに持っていきたい」そう。
ファッションが好きな末永は、持ち前の手芸スキルを生かして、バッグをおしゃれなファッションアイテムに仕上げていきます。
末永「わたしは、自分がよく身に着けるモノトーンのコーディネートに合わせやすい、グレーの毛糸を選びました。バッグはお散歩用にしたいので、持ち手は長めに作ります!」
編み直し可能で「失敗が怖くない」
各々の好みに合わせ、手を動かすこと1時間。すべて指編みなので編み棒など必要なく、初心者でも簡単にできます。制作過程で大きなハプニングなく、用意したチャンキーニット糸を使い切って、無事完成(画像4)!
今回マンドゥバッグ作りに挑戦した3人はいずれも、こだわりと自分らしさをバッグに反映して、世界に一つだけのものを作り上げました。「人と被ること」を避け、オリジナリティを求める傾向にあるZ世代にとって、自分好みにアレンジできるのは重要ですね。
武井「不器用なため、編み方に慣れるまでの序盤は苦戦しました。缶バッジやキーホルダーで好みのアレンジができるので、誰とも被らないことがお気に入りポイントです」
末永「網目の大きさやバッグの形まで自分の力量で決まるので、こだわり出したら止まりませんでした。網目がなるべく均等になるように注意しながら編みました。手作りというだけで愛着が湧きますね!」
また、「失敗しにくさ」も、Z世代のツボにうまくハマっている理由のようです。
神谷「失敗しても毛糸をほどいて、何回も編み直しができます。何度か編み直しましたが失敗が怖くなかったですし、何より、そこまで難しくないので、みんなと話しながらワイワイ作業できるのが楽しかったですね」
武井「完成して家に持ち帰ったあと、友達と話しているときや、YouTubeを見ながら自宅で3~4回編み直ししました。私は手が寂しいときに、『ながら作業』できるのがお気に入りです」
使用感についても聞いてみました。ふわふわした可愛い見た目ですが、耐久度があり、網目の隙間から物が落ちる心配はないようです。
Z世代の手作り体験に関しては、以前取材した、タフティングの記事もぜひご覧ください。