侍ジャパン・ヌートバー日本で愛される インスタフォロワー1週間で倍以上に
野球日本代表で外野手を務めるラーズ・ヌートバー選手。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)開幕前、自身のインスタグラムアカウントのフォロワー数は2023年3月3日時点で6.3万人だった。初戦の中国との試合から一夜明けた9日には、これが14.6万人にまで増えている。
米国籍ながら侍ジャパンメンバーとして躍動する姿は、日本の野球ファンの心をがっしりとつかんでいるようだ。
強化試合から活躍
米MLBセントルイス・カージナルスでプレーするヌートバー氏は、ガッツあふれるプレーやメジャーリーガーらしい活躍ぶりが印象的だ。3月6日、日本ファンにとっての「お披露目」となった阪神タイガースとの強化試合では1番センターとして出場。最初の打席でセンターへのヒットを放ち、4回表にはタイムリーをマークするなど、3打数2安打1打点でその存在感を印象づけた。
WBC初戦、9日の中国戦でも攻守で躍動。4打数2安打に加え、盗塁も決めた。3回裏1死の場面では中国の8番ルオ・ジンジュン選手がセンターとセカンドの間に放った打球へ向かって猛ダッシュ。滑り込みながら見事キャッチしてみせ、スタンドから大きな歓声が響いた。
日本の野球ファンが惹かれているのはプレー面だけではない。ツイッター上では日々ヌートバー選手について「誰よりも日本の戦士って感じがする」「日本の心を持ってる」と評する投稿を見かける。
日本人の母を持つヌートバー選手は幼少から日本球界との縁が深い。米メディア「バリースポーツ」が2023年3月7日に公開した動画には、少年時代のヌートバー選手が「僕の名前はラーズ・ヌートバー、背番号は21、日本人です」「僕は日本を代表しています」と語る様子が映っている。1月18日付文春オンラインの記事によると、これは10歳だったヌートバー選手がリトルリーグのオールスターチームに選ばれ、選手としての自己紹介ムービーを撮影したときのものだ。
1月27日付読売新聞オンライン記事によれば、ヌートバー選手が9歳だった2006年には高校全日本選抜メンバーの一部選手がホストファミリーとしてヌートバー選手の家に宿泊したことがある。全日本選抜の選手らからはサインとともに帽子をプレゼントされ、ヌートバー選手は宝物として実家に飾っているという。
「なんという名誉」
日本語は得意としていないヌートバー選手だが、「君が代」にも挑戦。3月9日の中国戦では試合前の国歌斉唱で、真剣な顔で君が代を口ずさむヌートバー選手の姿が確認できる。
ベンチでもチームメートのプレーを楽しげに眺め、頻繁に笑顔を浮かべる姿が印象的だ。大谷翔平投手が披露して話題となった、こしょうを引くように両手を回す「ペッパーミル」パフォーマンスは、3月7日付「FLASH」によるともともとヌートバー選手がカージナルスで流行らせたもの。こうしたムードメーカーぶりが受けているのか、ツイッター上ではヌートバー選手を「かわいい」と評する投稿も相次いで見かける。
少年時代の言葉通り日本代表となったヌートバー選手は、3月8日にインスタグラムを更新。強化試合前の整列中に自身の名前がコールされ、日本のファンからの歓声を浴びながらベンチを飛び出したときの動画を公開している。
投稿には、「ありがとう、日本!日本を代表してプレーするとは、なんという名誉だろう。さあ行こう」と、日本国旗の絵文字とともにメッセージを添えた。これに対し、日本人ユーザーから「日本に来てくれてありがとう!!」「アメリカに帰っても応援したくなるそんな選手です」と数百件のエールが寄せられている。