マスク着用「個人の判断」に あなたはどうする?世論調査で見えた意識
新型コロナウイルスの感染対策として、マスクの着用が強く推奨されてきたが、2023年3月13日から、着用は個人の判断に任されることになった。世論調査では、メディアによって多少の差はあるものの、規制が緩和されても当面マスクは外したくないという人がまだ多い。
厚生労働省が告知
厚生労働省はウェブサイトで、「令和5年3月13日以降のマスク着用の考え方について」を告知している。
「個人の主体的な選択を尊重し、着用は個人の判断に委ねることになります。本人の意思に反してマスクの着脱を強いることがないよう、個人の主体的な判断が尊重されるよう、ご配慮をお願いします」
3年余りに及ぶマスク生活が大きく転換することについて、大手メディアは、この一か月ほどの間に次々と世論調査をしている。
NNNと読売新聞の調査では、今後のマスク着用について、「できるだけ着けたい」が60%。「できるだけ着けたくない」の34%を大きく上回った。
NHKの調査では、「引き続きつけると思う」が50%、「外すことが増えると思う」が38%、「常に外すと思う」が6%だった。
JNNの調査では、ルールの緩和後はマスクを「できるだけ外す」と答えた人は21%、今後も「できるだけ着ける」と答えた人が55%となっている。
女性は男性よりも不安
朝日新聞社は、「あなた自身は、マスクを着けることが減ると思うか。減らないと思うか」と聞いている。それによると、結果は、「減る」49%、「減らない」49%。
ロイター通信によると、共同通信社の全国電話世論調査では、世代によって受け止め方に差があることが分かった。高年層(60代以上)の計75.0%がマスクを外すことに「ある程度」を含めて「不安を感じる」と回答。「あまり」を含む「不安を感じない」は計24.9%にとどまった。
調査では、年代が下がるにつれ、「不安を感じる」割合は減る傾向にあり、中年層(40~50代)は計65.2%、若年層(30代以下)は計48.3%だった。男女別では、男性の計54.7%に対し、女性が計74.3%で高かった。
一方、毎日新聞の調査では、「マスクを外す場面を増やしたい」との回答が49%、「マスクの着用を続けたい」の44%を上回った。しかし、70歳以上では「着用を続けたい」が多かった。
世論調査は質問の仕方などによって結果に差が出てくる。今回も、「できるだけ外す」と「マスクを外す場面を増やしたい」では、かなりニュアンスが異なる。ただ、全体の傾向として、マスクを外すことに躊躇している人が多いことがうかがえる。今のところ、まだコロナの感染が続いているうえ、春は花粉症のシーズン。すぐにマスクを外す人が多数になる可能性は低そうだ。