フェリシモの新レストラン「Sincro」 見て、聞いて、味わう「キッチンのある劇場」
フェリシモ(神戸市)は、新レストラン「Sincro(シンクロ)」の発表会を2023年1月30日に本社ビルで行った。レストランは1月26日にオープンした。「食文化の新しい劇場」がコンセプトだ。
発表会には日本料理を専門にするシェフ、中東篤志さんと崎楓真さん、酒井研野さんらが登壇。直接料理の説明、また提供する様子を再現した。
日本料理は季節感が大切
シンクロは「キッチンのある劇場」として、料理人によるマイクを使った説明や、客席に設置されたタブレットから流れるオリジナル動画、料理の情報が詰まったメッセージカードが提供される。劇場で披露される演目が変わるように、一定期間ごとに、レシピの考案者や、料理カテゴリーコースコンセプトなどを一新する。
5月上旬まで提供が予定されている現在のコースメニューは、日本食が中心だ。レシピは中東さんと崎さん、酒井さんが考案した。期間中に3人がキッチンに立つことはないが、シンクロのエグゼクティブシェフを務める北川理映子さんが中心となって、提供していく。
日本料理は季節感を大切にする。そこで今後は、メニューが少しずつ変わっていく。現在提供されている「蕪(かぶ)のみぞれ仕立」も蕪の季節が終わると、新しい季節を楽しめる食材に変更される予定だ。
「ザクザクしたおいしさ」
発表会中、それぞれのシェフから考案メニューについて説明があった。
中東さんは、メニューのひとつ「冬の裏六甲」について、こう話す。
「季節ごとに旬の野菜も変わるので、それに合わせて皿の内容も少しずつ変えていけば、裏六甲の季節感を楽しんでいただけるのでは」
酒井さんは「鶏のあられ揚げ」を取り上げた。兵庫県の特産品「朝倉山椒」をアクセントとして使いたいと考えたという。鶏肉は、あられをつけて揚げることで、「ザクザクしたおいしさ」に仕上げ、これに甘酸っぱい餡(あん)を絡めて、山椒を添えた。崎さんは、「蕪のみぞれ仕立」について「蕪は油脂分と相性がいいので、蕪を炊いて揚げた」と明かした。しっかり蕪が楽しめるようにみぞれと合わせて、「寒空の中、体を温めていただけるような仕立てでご用意しております」。
「シンクロ」では今後、地元・兵庫県の食材を積極的に活用、食品ロスの低減や未利用魚の利用を考えている。また、シェフの料理教室、店舗で使用する食器や雑貨の開発と販売、家庭向け食品の開発と販売についても計画しているという。