コロナまたも新たな変異ウイルス 感染しやすさ、ワクチンの効果どうなる
新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。このところ目立つのは、オミクロン株「BA.5」などから変異・派生した新たなウイルスによる感染が増えていることだ。2022年夏の「第7波」では、ほとんどすべてが「BA.5」による感染だったが、現在は7割弱に落ち込んでいる。
第7波は「BA.5」が98%
東京都は12月22日、新型コロナウイルスに関するモニタリング会議の資料を公表。その中で、ゲノム解析によるコロナウイルスの種類別の比率を明らかにしている。
それによると、第7波はオミクロン株の変異ウイルス、「BA.5」が主流。7月は83.1%、8月は98.0%、9月は98.4%。10月も90.4%を占めていた。しかし、11月は73.9%と大きく減り、12月は68.1%まで落ち込んだ。
替わって増えたのは、新たに変異・派生したウイルス。12月は、「BQ.1.1」が9.4%、「BF.7」が8.0%、「BN.1」が6.4%、「BA.2.75」が4.1%、「BQ.1」が2.5%など。
「BQ.1」や、「BQ.1.1」は、「BA.5」に新たな変異が加わったもの。オミクロン株の「BQ.1」系統と呼ばれている。
「BA.2.75」は、3月から6月にかけて流行した「BA.2」から派生した新たな変異株。そこからさらに派生したのが「BN.1」だ。
主役が替わって感染拡大の恐れ
NHKによると、米国では現在、「BQ.1.1」が35.7%、「BQ.1」が27.4%で、「BQ.1」系統が6割余りを占めるようになっている。欧州でも同じ傾向だという。
また、中国では、「BA.5」に変異が加わり、免疫の攻撃をすり抜けやすいとされる「BF.7」が拡大しているという。
各国の傾向として、「BA.5」などから変異・派生したウイルスに感染の主役が変わりつつあることがうかがえる。日本ではまだ「BA.5」が7割近くを占めているので、今後、さらに変異したウイルスに流行の主役が移った場合、感染も拡大する恐れがありそうだ。
NHKによると、新たな変異ウイルスに対してはワクチンの効果は下がるとの報告が各国で出ている。しかし、重症化を抑える可能性や後遺症のリスクを下げる可能性は、引き続き示されているという。