初対面で互いに「好き」 でもバラバラな世界観を持ったバンド「奇奇愛愛」
若手アーティストを熱く応援する音楽バラエティーラジオ番組「DJ Nobby's Tokyo LIVE!!」のメインパーソナリティー、DJ Nobbyさんによる新連載。全国放送の同番組に出演した「近未来のトップアーティスト」の素顔を紹介します!明日にも人気沸騰する逸材が登場するかも...?
DJ Nobbyです。第16回のゲストは、このコーナーでは初のバンドをご紹介!「奇奇愛愛」のみなさんをお招きしました。人数多めということもあり、普段とは違うスタジオでの収録です。
コミュニケーションは「テレパシー」で
2022年の8月に、現在のメンバーとなったバンド「奇奇愛愛」。ボーカルのモリカホさん、ベースの狭間1/f(はざま・えふぶんのいち)さん、ドラムの"しょうた"さんの3人は、元々全く繋がりが無かったそう。
モリさんが1人でピアノ弾き語りとして活動していた頃、別のアーティストと出演していた狭間さんとライブハウスで出会い、双方の演奏に惚れ込んだ二人。その日はお互い「好きです」とだけ言葉を交わして別れたのだとか。ただ、その後モリカホさんが「奇奇愛愛」という曲を作り、「これは弾き語りじゃなくてバンドでやりたい」と思い立ち、狭間さんに連絡を取ります。
さらにドラムパートとして、女性アーティストをもう一人交えてバンドをスタートさせますが、"しょうた"さんが札幌から上京してきたタイミングでメンバー交代となり、現在の形となりました。"しょうた"さん曰く「初対面から呼び捨てにされるわ、ストローの刺さったレモンサワーの缶を『ちょっと持って』って渡されるわ、強烈なインパクトの出会いだった」とのこと。
強烈な「出会い」のエピソードを明かした、"しょうた"さん
メンバーの音楽的バックグラウンドは、それぞれ全く異なっています。
モリさん「ドラマのサントラみたいな現実味の無いものが好きで、特定のアーティストで好きな人はいない」
狭間さん「小さい頃はクラシックで育って、それからノイズ(ミュージック)にハマった」
"しょうた"さん「親の影響で、幼稚園の頃からフュージョンばっかり聞いていた」
あまりにも「バラバラな世界観を持ったアーティストたち」。独特のキャラクターを持つメンバー間のコミュニケーションは難しいのでは?と聞くと......
モリさん「いや仲良すぎて、言語というよりはテレパシーで通じ合っているような感じです」
その言葉通り、作曲担当のモリさんが持ち込んだ曲を、あとの二人のメンバーが「モリは、どんな風景を見ているのか?」と、ヒアリングしながら、アレンジを進めていくそうです。
(左から)ボーカルのモリカホさん、ベースの狭間1/f(はざま・えふぶんのいち)さん、ドラムの"しょうた"さん
3人がとても仲が良さそうなので、プライベートでも交流が深いものと想像したのですが、実はメンバーそれぞれが多忙で、なかなかスケジュールを合わせるのが難しいという現状。モリカホさんが音楽活動に忙しいことに加え、狭間さんは会社員として勤務されていたり、"しょうた"さんも不定期な仕事をいくつも抱えていたりと、なかなかリハーサル以外で顔を合わせる機会は少ないそうです。
ただ、メンバー揃って早起きが得意なことから、「24時間あいているスタジオがあったら、朝からリハできるんじゃない?」という話で大盛り上がりとなりました。
年末総括「2022年、ポストコロナの新ライブシーン」
これまで感染状況とのにらめっこが続くなかで、ライブやファンイベントの開催が難しい状況だった音楽業界でしたが、今年の後半は少し光明が見え始めたと感じています。
一部のライブハウスが廃業に追い込まれるなど、悲しい光景を数多く目にしてきたコロナ禍。一方で、新たなマーケットが開拓されたと感じる面もあります。コロナ前は「同じ空気を共有してこそライブ」と考えていたアーティストたちも、「インターネット越しにどうやったら音楽を届けることができるか」を真剣に考え、それを応援するファンの熱も高まりました。
もちろん、同じ空間をアーティストと共有できることは素晴らしい体験です。ただ、「家でライブを楽しむ」選択肢があることは、ファンの間口を大きく広げる結果になったと感じています。
そうやって広がったファンが、またライブハウスに戻ってきてくれるのか、そしてそのきっかけとなれるアーティストがどこにいるのか。2023年も我々は、素晴らしいアーティストを探す旅を続けていきたいと思います。
金融機関勤務の知見を生かし、音声配信プラットフォーム「Voicy」でフォロワー5万8000人に向けて「きのうの経済を毎朝5分で!」を配信中。