日本で唯一のボッティチェリ作品 「美しきシモネッタ」公開中
伊ルネサンスを代表する画家、ボッティチェリ(1445ごろ~1510年)の名作「美しきシモネッタ」が、オープン1周年を迎えた東京・大手町の丸紅ギャラリーで公開されている。日本で唯一のボッティチェリ作品をじっくり見ることが出来る貴重な機会だ。
「ヴィーナスの誕生」のモデル
ボッティチェリは「春(プリマヴェーラ)」や「ヴィーナスの誕生」などで日本でもよく知られている。宗教画や神話画などで多数の傑作を残した。
朝日新聞によると、「シモネッタ」に描かれているのは、15世紀フィレンツェで、比類なき美しさで知られたシモネッタと言う女性だ。「ヴィーナスの誕生」のモデルともされている。15世紀後半の制作と推定されている。
丸紅はこの作品を1969年に購入。一時は、真贋(しんがん)論争も起きたが、科学調査などを経て、71年にボッティチェリの真作と確定した。
今回はメイン作品としては、「シモネッタ」のみの一点展示。加えて、生誕570周年を迎えるシモネッタの生い立ちや、この作品の来歴、他のシモネッタの肖像画との比較による《美しきシモネッタ》の制作年に関する新たな推論など、様々な角度から、この作品の魅力を浮き彫りにしている。
「丸紅コレクション」として所蔵
丸紅は、創業1858年。繊維に関わるビジネスを軸にしつつ、江戸期を中心とする古い時代の染織品(きもの、帯、袱紗など)や染織図案、1960~70年代にアートビジネスに携わる中で入手した西欧絵画、そして、染織図案の接点などから画家本人や画商を通じて収集された近代日本絵画を「丸紅コレクション」として所蔵している。
丸紅ギャラリーは21年11月、東京・大手町の本社ビル内にオープン。「古今東西の美が共鳴する空間」をコンセプトに、丸紅コレクションの収蔵品をさまざまなテーマで展示・公開していている。今回の「美しきシモネッタ展」は開館記念展シリーズの3回目。
会期は23年1月31日まで。入館料は一般(大学生以上)500円。