吉田麻也、伊藤洋輝、森保一監督 コスタリカに敗戦「3つのミス」の重なり

【連載】サッカー・カタールW杯 森保ジャパン勝負の1年

   コスタリカの、"たった"一発に日本が沈んだ。初戦でドイツに2-1と勝利した日本だが、第2戦ではコスタリカをコントロールしながらも終盤の1点に泣き、敗れた。

   コスタリカ戦、日本のスターティングメンバーを見た時に嫌な予感がした。先発を大幅に入れ替える「ターンオーバー」が、うまくいくとは思えなかったからだ。そのうえで、筆者が挙げたいのは、81分の失点シーンにあった3つのミスだ。

コスタリカ・フレールのシュートに、左足を伸ばして対応しようとする吉田麻也。伊藤洋輝(左から2人目)の顔も見える(写真:ロイター/アフロ)
森保一監督の采配も、この日はドイツ戦のようにはいかなかった(J-CASTトレンド撮影)
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谷口彰悟という選択はなかったのか

   まず吉田麻也の選択がミスになってしまった。けが明けとなった守田英正のキレを考えれば、わかりやすくクリアするべきだったと思う。もちろん、日本にうまくパスが繋がれば、カウンターになった可能性はあるのだが、失点してしまえば結果論で語られてしまうのがフットボールである。

   吉田のパスが、危険な位置でコスタリカ・テヘダにインターセプトされた後の、伊藤洋輝のポジショニングも中途半端だった。この日の伊藤は、ビルドアップ時のポジショニングから良くなかった。W杯前までは決して悪くなかっただけに、W杯初出場のプレッシャーがあったのかもしれない。

   そういった意味でも、長友佑都に代えて3バックにするならば、谷口彰悟の方が生きたと思う。ボランチの守田や、その後に投入され活躍した三苫薫は、谷口と川崎フロンターレでプレーしている。少なくとも、三苫の突破を伊藤が邪魔してしまったシーンは、谷口ならば起きなかったと言える。

「失点以外は、思ったとおり無失点に抑えながら、攻撃のチャンスをつくって得点を狙いにいく、狙い通りの展開。ですが、結果が狙い通りではなかった」

   森保一監督は、こう試合を振り返ったが、「結果が狙い通りではなかった」のは森保監督の采配が原因だ。ドイツ戦から大きく変えた前線のスターティングメンバーでは相馬勇紀以外にキレはなく、ポゼッション時の連携も良くなく、今回は交代も微妙だった。

   そういった意味で失点は、吉田、伊藤のプレーと、森保監督の選手起用、それぞれの「選択ミス」が生んだと評されても仕方がない。

   ドイツ戦は、そのミスを権田修一がリカバーしたが、このシーンではキレをみせられなかった。チームとして全てがチグハグだった。

川島永嗣「次だよ次」が救い

   かなり悲観的にならざるを得ない内容だったが、唯一、前向きになれたのは試合後の光景だ。経験のある控えの川島永嗣が「次だよ次」とチームを盛り上げ、経験のない選手たちに前を向かせていた。

   だが、その7時間後に行われたスペインードイツ戦は、1-1の引き分けに。スペインが勝利する、日本にとっての最高の展開にはならなかった。日本はスペイン戦、最低でも引き分け以上、確実に突破するには勝利しかなくなった。まさに「絶対に負けられない戦い」である。(選手敬称略)

(石井紘人 @ targma_fbrj)

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