「PSVR2」予約応募に「プレー時間」必要 「PS5」販売も同条件つけてほしい
ゲーム機「プレイステーション(PS)5」の周辺機器「PlayStation VR2」(PSVR2)は、2023年2月22日に発売予定だ。PS公式サイトは22年11月21日、このPSVR2と、対応ゲームソフト「Horizon Call of the Mountain」がセットになった同梱版の先行予約応募受付を開始した。
転売目的での購入を防ぐためか、応募にはいくつか条件がある。そのひとつとして、「PS5」や前世代機「PS4」を直近で一定時間以上プレーしている必要がある。これに、「PS5」でも同じような条件での販売を行なってほしいと願う声が、ツイッター上で複数出ている。
「20時間以上」遊んでいること
PSVR2は、頭部に装着するVR(仮想現実)ヘッドセットや専用コントローラーで構成されるVR機器だ。PS5に接続し、ゲームの世界に入ったかのような体験を楽しめる。
PS公式サイトの説明によると、PSVR2と「Horizon Call of the Mountain」の同梱版予約応募には、まず「日本のソニーアカウント」が必要だ。ソニーアカウント加入者は、ソニーグループのさまざまなサービスを利用できる。これを使い、PS4やPS5上で「PlayStation Network」(PSN)というサービスにサインインすると、ゲームソフトがオンライン購入できる。
そしてPSVR2同梱版の予約応募には、ソニーアカウントを使ってサインインしたPS4やPS5において、「2021年11月1日から2022年10月31日までの期間に20時間以上のゲームプレイがあること」も条件となっている。実際にPS5やPS4をプレーしている人でないと買えないのだ。
本体のPS5は、2020年11月の発売から品薄が続いており、定価での入手が難しい。ツイッター上では2020年以降、たびたび「PSNと連携して直近のプレイ時間を参照して(PS5を)売ればいい」「プレイ時間長かったりよくソフト買ってる人に優先的にPS5売ってくれ」という意見が出ていた。
このアイデアが周辺機器のPSVR2で実現したかたちだが、「PS5もこの方法採用すればよかったのに」「なんで本体もこの販売方法にしないの?」との指摘が複数みられる。
周辺機器だから可能なワケ
東洋証券のシニアアナリストで、ゲーム業界に詳しい安田秀樹氏に取材した。今回のPSVR2予約応募における「プレー時間」条件はやはり、転売対策の一環とみる。一方で同じような方策は、PS5を販売する場合には「おそらくできないだろう」との意見だ。
PSVR2はあくまで周辺機器のため、主にPS5をすでに所有している人が購入するとみられる。そのため、ソニー側からすると購入希望者に対し、同機でのプレー時間を求めるとの策を実施しやすい。
一方で、PS5そのものを買おうとする人は、当然ながらまだ同機を所有していないユーザーだ。そのため、本体販売の条件として、PS5のプレー時間を求めるのは難しい。
前世代機・PS4のプレー時間ならどうか。こちらは、2014年の発売からすでに約8年が経過している。故障や飽きなどにより遊ばなくなった人が一定数いるとみられ、今になってPS4のプレー時間を求めるのは現実的でないと安田氏は指摘した。
PS5において、2020年の発売当初に「PS4のプレー時間を求める」との転売対策が打ち出されなかった。安田氏は、PS5が発売後に需要が伸び、現在ほどの品薄が起きる事態をソニー側が想定していなかったためではないかと分析した。