日本の女子マラソン勢が続々好記録 パリ五輪に向けて高まる期待

   日本の女子マラソン選手が、海外の大きな大会で次々と好タイムを出している。自己記録を大幅に更新し、マラソンランナーの一流の証とされる「2時間21分台」を記録した選手もいる。2024年のパリ五輪に向けたマラソン女子選手の選考は、激しさを増すことになりそうだ。

パリ五輪は2年後に迫っている(写真と本文は関係ありません)
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自己記録を6分も短縮

   2022年9月25日に開かれたベルリンマラソン。世界の有力選手が多く集まる大会で、6位に加世田梨花(ダイハツ)、7位に鈴木亜由子(JR日本郵政G)、8位に佐藤早也伽(積水化学)の各選手が入賞した。

   注目すべきはタイムだ。加世田選手は2時間21分55秒、鈴木選手は2時間22分02秒、佐藤選手は2時間22時間13秒。加世田選手と鈴木選手はそれまでの自己記録を一気に6分以上、佐藤選手も1分あまり縮めた。

   さらに10月2日のロンドンマラソンでは、上記の3選手を上回る好記録が飛び出した。細田あい(エディオン)選手が2時間21分42秒の自己新記録で9位になった。

上位陣に厚み

   かつて女子のマラソンは、五輪で金メダルや銀メダルを獲得し、お家芸と言われた時期もあった。しかし近年、アフリカ勢の台頭で苦戦を強いられ、タイムも伸び悩んできた。 日本歴代15傑を振り返ると、1位は野口みずき選手、2位は渋井陽子選手、3位は高橋尚子選手。いずれも2時間19分台だが、20年ほど前の記録だ。

   現役選手では昨年の東京五輪で8位入賞した一山麻緒(現在は資生堂)選手と今年の世界陸上9位の松田瑞生(ダイハツ)選手が20分台、トラックでも活躍する新谷仁美(積水化学)選手、安藤友香(ワコール)選手が21分台で続く。

   細田選手の記録は、上記の7選手に次ぐもので歴代8位、加世田選手は11位、鈴木選手は12位、佐藤選手は15位に相当する。9、10.13、14位の選手は引退しているので、細田選手ら4人は、先行する一山、松田、新谷、安藤の現役4人に次ぐ好記録だ。日本の女子マラソン界の上位陣が、一気に厚みを増すことになった。

MGCに向けて盛り上がり

   所属チームのサイトで細田選手は、「初めての海外でのマラソンレースとなりました。事前の練習ではしっかりできていたので楽しみな気持ちと緊張がありましたが、目標として いた2時間22分台を達成できて良かったです」と述べていた。加世田選手は「ベルリンマラソンに向けて2か月間厳しいトレーニングを積んできたので、レース中に苦しい場面が何度もありましたが、練習を思い出して粘る走りが出来ました」と振り帰っている。そして、「まだまだ外国人選手との力の差は感じたので、 また努力していきたいと思います」(細田選手)とさらなる努力を語っている。

   各選手の目標は、24年のパリ五輪。出場者を決める23年秋開催予定のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)や、その前段としての今冬から来春にかけての国内マラソンレースは、いちだんと盛り上がりそうだ。

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