コロナ「新変異株」世界各地で次々と この冬にかけて感染再拡大の恐れ
新型コロナウイルスの感染者が、なかなか減りきらない。国内の一日当たりの全国の感染者数は、日によっては1万人近くに減少するものの、このところ概ね3~4万人の状態が続いている。一方で、海外では新たな株が次々と登場、いずれ日本にも波及してくるのではないかと、心配する声も出始めている。
「BQ.1」「BF.7」「XBB」
ロイター通信によると、オミクロン株の新たな派生型への感染が、ニューヨークを中心に米国内で急速に拡大しつつある。米疾病対策センター(CDC)は2022年10月21日、現在主流となっている「BA.5」から派生した「BQ.1」および「BQ.1.1」への感染が、全体の16.6%を占めるとの推計を発表した。
欧州疾病予防管理センター(ECDC)も、1か月以内にこれらの変異株が主流になるとみているという。
韓国の中央日報は20日、米国で最近拡散中の「BQ.1」および「BQ.1.1」が最近韓国でも検出されたと報じている。
加えて、韓国では「BF.7」も増え始めている。これは、独、仏、ベルギーなど67か国で現在まで1万4000件余りが確認されている変異株だという。
オミクロンの組換え変異ウイルス「XBB」も計15件見つかっている。こちらは、シンガポールを中心に急速に拡散中のウイルスだという。
専門家も注視
CNNは10月21日、「相次ぐ新系統の変異ウイルス、世界でコロナ感染再拡大の懸念」という記事を配信している。
米国では秋になって新型コロナの症例数は減少しているが、相次ぐ変異株の影響で近いうちに再び増加に転じる恐れがあると専門家は危惧しているという。
テレビ朝日「グッド!モーニング」は24日、新たな変異ウイルスについて、国際医療福祉大学・松本哲哉主任教授に聞いている。
松本教授は、次のように述べた。
「(BQ.1は)少なくともBA.5よりも、感染力は強いだろうと考えられるが、何倍ぐらい強いのかというような具体的な研究のデータは出ていない。感染者数は確かに増えてますが、入院患者が極端に増えたとか、重症患者、あるいはお亡くなりになっている方が増えたというデータは、今のところないので。それを考えると、病原性そのものは、それほど極端に変化は起こっていないと思う。色んな変異株が出ているなかで、どれが今後、数として国内で増えていくのかというのは、もうちょっと注視していかないと、現時点での判断は難しい」