有料の「指定ごみ袋」あちこちで品薄 「代用品」の使用認める自治体も
ごみ出しには、自治体によって有料の「指定ごみ袋」が必要だ。近ごろ、複数自治体でこの指定袋が品薄となっている。
背景には、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が大きいようだ。コロナ禍では世界的な半導体不足がたびたび報じられているが、ごみ出しの必需品まで品薄となれば市民にとっては悩ましい事態だ。
「透明・半透明の袋も使用できます」
例えば東京都西東京市。公式サイトでは2022年9月28日付で「市指定ごみ袋の品薄状態に関するお詫びとお願い」と題された告知を掲示している。コロナ禍の影響などで市指定袋の製造工場の生産能力が低下し、販売店での在庫が品薄となっているという。
生産は継続しているものの、普段使用している大きさの袋が販売店にない場合は他サイズの購入を検討すること、そして必要以上の数を購入すると他の人に袋が行き渡らなくなるため控えるよう市民に求めている。
東京・武蔵野市も同様だ。公式サイト上での9月12日付告知において、コロナ禍などの影響で「有料ごみ処理袋が品薄状態」と発表。西東京市と同様に、他サイズの購入検討とともに、大量購入を控えるよう求めた。
東京だけではない。広島県呉市は9月28日、燃えるごみ用指定袋の品薄状態が続いていると発表。やはり新型コロナ感染症などの影響で、製造工場の生産力が低下しているのだという。
同市では、上述の東京2市とは異なる臨時措置を設けている。「燃えるごみを出す際は、指定袋のほか、市販の透明・半透明の袋も使用できます」というものだ。指定袋でなくとも、各家庭で用意した透明・半透明袋でごみ出しができる。10月3日~11月30日までこの措置を続けるという。
原油価格高騰も原因に
こうした指定袋の品薄は、8月以前にも複数の自治体で発生している。栃木市は4月26日付で、世界的なコンテナ不足や原油価格高騰などで指定ごみ袋の入荷が不安定になっていると公式サイトで説明。愛知県半田市は5月25日に、コロナ禍などの影響で一部指定袋が品薄だと発表した。
対応策は自治体によってまちまちだ。地方紙「秋田魁新報」(電子版)の7月20日付記事によれば、秋田県潟上市でも当時指定袋が品薄に。可燃物用のごみ袋を入手できない場合は、市指定の不燃物用やペットボトル用のごみ袋でも可燃ごみを出せるとの措置を設けた。この対応は8月1日から9月10日収集分まで続いた。