「満ち足りた人生」が突然に それでも凜と生きる女性のエネルギー

【明日のベストセラー(71)】

「気分に合わせて音楽のプレイリストを選ぶように、漫画も気分に合わせて楽しんでほしい」

   漫画のクチコミサービス「マンバ」(東京都港区)が、今この時期に読むのにピッタリな作品を紹介する「明日のベストセラー」。漫画のクチコミサービス「マンバ」(東京都港区)が、今この時期に読むのにピッタリな作品を紹介する「明日のベストセラー」。 9月は敬老の日に合わせて「年を重ねて輝くシニア」というテーマでピックアップする。

「すぐ死ぬんだから」
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主人公の生き方から学びを

   第71回は、「すぐ死ぬんだから」(著・くさか里樹/内館牧子)。主人公・ハナは78歳にして街でファッション・スナップを撮られるような、いつまでも「自分らしさ」を失わず、おしゃれを楽しむ若々しい女性。夫は、唯一の趣味が折り紙というコツコツ働く男で、この年代には珍しく、ストレートに妻への愛を口にする。自分の人生は幸せだとかみしめるハナだが、ある日事態は何の予兆もなく急転する。

   本書は何よりも、ハナの内側からあふれる、はつらつとしたエネルギーが魅力。常に高い美意識を持ち、身だしなみを整えることは「四六時中、自分を律することと同義」で、その強い精神力が人間としての振る舞いの美しさ、品格をもたらすのだとハナの生き様は教えてくれる。

   通常、本連載では記事掲載時にすでにメディア化されているマンガは取り上げないが、本作は例外的に紹介を決めた。老若男女それぞれがハナの生き方から学びを得ることができる、広く読まれてほしい作品だ。全2巻。第1話はこちら

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