大相撲の懸賞金本数「コロナ前」に近づく 9月場所千秋楽には161本
大相撲9月場所は2022年9月25日、玉鷲の優勝で幕を閉じた。玉鷲は7月場所ではコロナの影響で休場を強いられたが、見事復活した。長くコロナに痛めつけられてきた大相撲だが、9月場所では、感染による休場者は激減した。相撲人気のバロメーターになる懸賞の本数も、コロナ前に近づいた。
最年長で2度目の優勝
9月場所の優勝争いは千秋楽までもつれ込んだ。12勝2敗の玉鷲と、11勝3敗で追う高安の賜杯をかけた一戦。力の入った勝負となったが、勢いに乗る玉鷲が高安を圧倒。37歳10か月という、年6場所制になってから最年長で2度目の優勝をつかんだ。
玉鷲は、7月場所では13日目に所属する片男波部屋で感染者が出て、04年初場所初土俵以来、初めての休場となった。日本相撲協会は、コロナ関連による休場については連続出場記録を継続させているが、玉鷲はそれまで、史上4位の通算1448回連続出場を記録していただけに、悔しい不戦敗となった。
大相撲はコロナに翻弄され、一時は無観客での開催になったこともあった。オミクロン株による感染拡大で、特に今年の7月場所は大きなダメージを受けた。大量の力士が休場することになり、13日目は幕内18番のうち7番が不戦という異例の事態となっていた。
懸賞1本「手取り」3万円
休場が増えたのは、部屋で1人でも感染者が出たら、その部屋の全力士が休場という厳しいルールによる。9月場所は、政府が感染者や濃厚接触者の隔離期間の短縮を決めたことを受けて、相撲協会も出場条件を緩和、力士がそれまでよりも出場しやすくなった。このため、コロナによる休場者はごくわずかにとどまった。
9月場所は、関脇以下の力士の活躍で後半になって盛り上がり、好取組が続いた。懸賞の本数は1702本。コロナの感染が始まった20年3月場所以降では最多となった。一日で最も多かったのは千秋楽の161本だった。
NHKによると、懸賞は1本7万円。日本相撲協会が事務経費として1万円を取り、力士の所得税にあてるため預かる金が3万円。力士が実際に受け取る金は、3万円。
19年7月までのまとめによると、懸賞受け取った本数は、優勝回数の多い白鵬が他の力士に大差をつけてトップだという。