コロナ「終わりへの序曲」なのか 国内「第7波」沈静化も気になる秋冬
国内の新型コロナウイルスの新規感染者数が急減している。2022年7月から始まった「第7波」はすでにピークアウトし、収束に向かっているようだ。海外では、新型コロナ自体の「終わり」が見えてきた、との報道も出ている。
沖縄は急減
第7波は、ピークだった8月中旬には、1日当たりの国内の感染者が25~26万人に達した。しかし、その後、じわじわと減る傾向が続き、9月に入ってからは一段と減少。前週の同じ曜日から3割近く減ることが多くなった。
19日の全国の感染者は3万8000人余り。東京は4069人まで減り、いち早く流行が広がった沖縄では、ピーク時は1日の感染者が6000人を超えていたが、19日は約20分の1の294人にまで落ち込んでいる。
時事通信は20日、「コロナ『第7波』、なぜ下火に?」という記事を配信している。感染者の減少理由について、厚生労働省専門家組織座長を務める脇田隆字・国立感染症研究所長は、「ワクチンと感染による、一過性の集団的な免疫が大きく影響した可能性がある」と指摘。東京医科大の浜田篤郎特任教授(渡航医学)は、「第7波はピークを越えたとみていい。3回接種率は65%を超えており、ワクチンと感染の両方を経験して獲得する『ハイブリッド免疫』の効果も大きいのでは」と分析している。
インフルエンザとの同時流行警戒
国際的にもコロナは沈静化の傾向が続いている。NHKによると、WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長は14日の記者会見で、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の現状について、「まだ到達していないが、終わりが視野に入ってきた」と述べた。
WHOの集計では、今月5日から11日までの世界全体の死者数は前の週より22%減少して1万935人。新規感染者数は28%減少して313万人余り。世界全体の死者数は、2020年3月以来の低い水準になっている。
もちろん、テドロス事務局長は、感染拡大防止の取り組みを継続することの大切さを強調している。
日本では「第7波」が収束に向かっているとはいえ、世界的にみると、感染者数はまだ高水準だ。共同通信によると、9月5~11日の週間感染者数は、日本は前週比54%減だったものの53万7181人に上り、8週連続で世界最多に。同期間の死者数は2306人の米国が最多で、日本は1681人で2番目に多かった。
毎日新聞によると、政府は当面は次なる「第8波」や秋冬のインフルエンザとの同時流行への備えを重視している。20日からは、オミクロン株に対応したワクチンの接種も始まった。