安倍元首相の国葬で都心は大混乱か 首都高は3日間交通規制、飛行制限も

   2022年9月27日の安倍晋三元首相の国葬に伴い、大規模な交通規制が行われることが明らかになっている。前日から翌日までの3日間、首都高速などが一時通行止めとなる見込み。国葬を巡っては議論が続いているが、外国要人が宿泊するホテル周辺なども含めて都内では一般への影響が避けられないようだ。

配送の遅れが心配だ
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広範囲に通行止め

   警視庁のウェブサイトは15日、「国葬儀等に伴う交通規制のお知らせ」を発表している。それによると、9月26日(月曜)から28日(水曜)までの間、日本武道館における国葬儀及びその後の迎賓館における行事、外国要人の来日・離日の際の移動などに伴い、昼前から夜にかけて、都内の首都高速道路において、車両通行止めの交通規制が行われる。このほか、一般道路においても、必要な交通規制が実施される。規制区間は地図で示されているが、都心部がすっぽり対象になっている。

   読売新聞によると、国葬当日は昼前から夜にかけて、4号新宿線や11号台場線など都心部の首都高速を広範囲に通行止めになり、日本武道館周辺の一般道も規制される。周辺は渋滞が予想されることから、迂回路の利用を呼びかけるという。規制場所や時間帯などの詳細は今後、決定し、警視庁のウェブサイトなどで公表される。

   インターネットでは早速、迂回道路の情報を求める声や、迂回道路も大渋滞になるとの予想が出ている。

一部配送の遅延も発生

   日刊ゲンダイによると、2000年に同じ日本武道館で行われた故・小渕恵三氏の内閣・自民党合同葬は、当時のクリントン米大統領や金大中韓国大統領ら156の国・地域から要人が参列。式典当日は警視庁が1万人を動員して警備に当たった。

   今回の参列者もこの時と同じ6000人ほど。安倍氏が銃撃されたという事実を踏まえると、警備が強化されるのは必定で、全国からの応援警察官も含め4万~5万人規模の警備態勢になるという。日本武道館の外には一般人向けの献花台も設けられる予定で、「警備する側にとっては悶絶するほどやることが多い」と指摘する。

   すでに国土交通省は9月26日から28日の3日間、日本武道館を中心とする半径25海里(約46キロ)を飛行制限区域に設定することを発表している。都心での飛行制限の設定は、19年10月の「即位礼正殿の儀」(即位の礼)、21年7月から9月の「東京オリンピック・パラリンピック」以来だ。

   即位の礼の時は、10月20日から25日にかけて首都高速道路、羽田空港周辺道路などが通行止めとなり、配送会社の集配サービスの停止や一部配送の遅延も発生した。

世論調査は「反対」が圧倒

   英国のエリザベス女王の国葬のように、多くの国民の支持と国会の承認を得ている場合は、様々な規制も理解を得やすい。しかし今回の安倍元首相の国葬は、様相が異なる。国会の手続きは経ておらず、海外からの要人の顔ぶれも、国のトップレベルは少ない。

   特に悲惨なのが世論の支持だ。このところ報道機関の世論調査では「反対」が「賛成」を大きく上回る状態が続いているが、9月13日発表のNHKの調査では、「国葬」を「評価する」が32%、「評価しない」が57%。15日の時事通信の調査では、賛成25%に対し、反対52%。自民党支持層でも、賛成は半数に届かなかった。

   招待者の欠席表明も目立つ。立憲民主党は、国葬実施についての党の質問書に対する政府の回答が不十分だったなどとして、執行部がそろって欠席する。

   演出家の宮本亞門さんは、招待状が届いていることを明かしつつ、「どうしてこれが僕に? 何かの間違いでしょう。政治家でもなく桜を見る会すら呼ばれたことがないのに。もちろん私は行きませんが。宮本亞門 #国葬反対」とツイッターに綴っている。

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