有料レジ袋の代わりに自治体の指定ゴミ袋を マイバッグ以外の選択肢に
2020年7月のレジ袋有料化から2年が経過した。プラスチックごみ削減に向け、ユニークな取り組みを行う自治体が出ている。地元のスーパーマーケットなどと提携し、ゴミ出しに必要な「指定ゴミ袋」を買い物袋の代わりに販売する、という取り組みだ。
レジ袋として買い物に利用した後は、そのままゴミの排出に使える。マイバッグや有料レジ袋以外の選択肢として便利そうだ。
千葉市では40店舗以上で
2022年8月14日には、有料レジ袋の代わりに千葉市の指定袋を購入できる店があるとの話がツイッター上に投稿され、話題になった。ユーザーからは「画期的」「良いアイデア」との反応が出ている。
もともと千葉市はスーパー大手「イオン」やコンビニエンスストア「ミニストップ」と協力し、レジ袋に関連した実証実験を2020年に実施。市内の一部店舗の買い物で客がレジ袋を希望するとき、通常のレジ袋か、可燃ごみ用指定袋の単品購入を選択できるというものだ。サイズは5種類あり、最小5リットルサイズが1枚4円、45リットルが36円だ。
市公式サイトによると、ごみとして捨てられるレジ袋の総量を抑え、プラスチックごみ削減につなげることが目的だ。当初はごみ袋をレジ袋として使用することに対して抵抗があるとの声が市民から出たが、やがて好意的な意見が多く寄せられるようになった。袋の販売数も堅調なため、実証実験後の本格実施が決まったという。
市の環境局資源循環部収集業務課に取材した。イオンやミニストップの実験協力店舗ではこの取り組みを継続。レジ袋代わりに使える利便性のほか、通常であれば10枚1セットで販売している指定袋を単品販売することで、少量だけを買いたいという需要にも応えられるとメリットを挙げた。
また他の指定袋取扱店にも都度この取り組みについて案内しており、協力店舗は増えている。22年4月末時点でイオン、ミニストップのほか、ホームセンター「ロイヤルホームセンター」3店舗や個人商店など、あわせて市内の43店舗で実施されている。
各地で同様の取り組み
同様の取り組みは千葉市以外にも複数の自治体で行われている。例えば石川県志賀町。公式サイトによると、町内の一部小売店での買い物時、町指定ごみ袋か通常のレジ袋を購入するかを選べる取り組みを実施している。
20年11月の更新時点で、ファミリーマートや商店など13店を協力店舗として掲載している。1枚あたり10リットルサイズが15円、20リットルサイズが25円だ。
長崎県五島市でも21年12月から、レジ袋として使える指定ごみ袋を市内の店舗で販売する実証事業を実施。公式サイトによると、21年12月7日時点で市内のスーパー2店で販売している。サイズは書かれていないが市指定の「燃やすごみ収集袋(小)」として使えるとのことで、1枚10円だ。
また兵庫県淡路市は22年4月から「オリジナルレジ袋兼市指定ごみ袋」の販売を開始。公式サイトによれば海洋ごみ問題へのメッセージを込め、淡路島の名産品であるタコが描かれたゴミ袋を採用している。容量は10リットルで、1枚27円。5月11日時点で、イオン淡路店や「ローソン津名町志筑店」など7店で取り扱っている。