夢が枯れた「バクの星」から地球へ 「異国に根付く難しさ」描くSF移民物語
2022-08-15 12:00:00
【明日のベストセラー(66)】
「気分に合わせて音楽のプレイリストを選ぶように、漫画も気分に合わせて楽しんでほしい」
漫画のクチコミサービス「マンバ」(東京都港区)が、今この時期に読むのにピッタリな作品を紹介する「明日のベストセラー」。漫画のクチコミサービス「マンバ」(東京都港区)が、今この時期に読むのにピッタリな作品を紹介する「明日のベストセラー」。8月は「夏休みに読みたい宇宙・天体」というテーマでピックアップする。
Read more...
バクの星から地球へ移民
第66回は、食べる夢が枯渇してしまったバクの星から地球へとやって来た、移民の少年の日々を描く「バクちゃん」(著・増村十七)。舞台は、地球以外の惑星出身の人々が多く暮らしている日本。銀行口座の開設や携帯電話の契約にも苦労するなど、定住していると実感しづらい見知らぬ土地で、ゼロから生活基盤や人間関係を築くことの難しさが、主人公・バクちゃんの体験を通じて映し出されていく。
様々な事情で故郷を離れた移民たち、地球生まれの移民2世、そして地球人。多様な人々が交ざり、支え合う暮らしの中には、ときに胸を刺すような辛い出来事も起こる。優しいタッチで、受け止めるべきメッセージがたくさん描かれている、重みのあるSFマンガだ。作者のツイッターで公開されている第1話の一部はこちら。