VR謎解きアトラクション クリエイター集団が明かす舞台裏と奥深さ

   「リアル謎解きイベント」「謎解きゲーム」――困難な状況に置かれたプレーヤーが、出されたヒントを参考に謎を解き、物語の解決を目指す。これを、「VR」(仮想現実)上で運営しているクリエイター集団がいる。その名は「DETECT」だ。

   「メタバース調査隊Hack2」が2022年7月26日、メタバースプラットフォーム「cluster」で開いたイベントで、「VR記者カスマル」がDETECTのメンバーに「公開取材」をした。

「メタバース調査隊Hack2活動会議#3」の様子 左から「VR記者カスマル」、「逆凪」さん、「めどう」さん、「草羽エル」さん
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「ゲームの世界」に入れる?

「メタバース調査隊Hack2」とは
メタバース(仮想空間)の魅力を取材する「VR記者カスマル」と、バーチャルBAR「Angel Kiss」店主を務めVRイベントを主催している「草羽エル」のユニット。メタバースにまつわるコンテンツやその面白みを2人で発掘、発信していく。

   この日は、DETECT代表の「めどう」さん、「逆凪」(さかなぎ)さんがゲストとして登壇した。逆凪さんはシナリオライターや、VR上の建物、仕掛けの作成を担当している。

   DETECTは、「ゲームの世界に入ってみたい!」という思いを原点とし、 VR謎解きアトラクションを制作している。現在は「Break the JINX 〜絶望の廃倉庫〜」というアトラクションイベントを開催中だ。1920年代の米国が舞台で、プレーヤーは謎を解きながら廃倉庫からの脱出を目指す。

   作中のNPC(運営側のキャラクター)は、実際にDETECTのメンバーが演じており、プレーヤーと対話が可能。めどうさんはVR上で演劇を行う劇団「moment」にも所属しており、自身でNPC役を務めることもある。

   開催期間は2022年7月〜8月だが、現在8月上旬〜中旬で用意している日程は全て予約が埋まっている人気ぶりだ。

シナリオに欠かせない3要素

   DETECT発足のきっかけは「軽い気持ちだった」と、めどうさんは話す。友人に誘われて現実の謎解きイベントに参加しているうち、「VR上でやっても面白そう」と思うようになった。ここが出発点だ。

   ある日、VR上で「テーブルトークRPG」を制作するサークル「ぐだぐだぶとん」と交流する機会があった。VR謎解きイベントの構想を伝えたところ、すぐに賛同を得られた。同サークルに所属している逆凪さんをはじめ、企画に必要なクリエイターはスムーズにそろった。

   逆凪さんによると、シナリオや謎のアイデア作りで意識しているのは「非現実要素」「エンディング」「舞台」の3点だ。

   たとえば「非現実要素」。謎解きゲームでは物語を進めていく上で「クロスワードパズル」といった仕掛けを解くことになったり、プレーヤーが密室に閉じ込められたりすることが多々ある。日常生活なら、不自然な状況だ。ここで一定のリアリティーを持たせるため、「妖怪」「特殊能力を持った人物」といった、設定に説得力を与える非現実要素を盛り込むのだという。

   今回の「Hack2」イベントの中では、ほかにも運営上苦労したエピソードや、「Break the JINX 〜絶望の廃倉庫〜」の見どころも語られている。全編の様子は、草羽エルさんのユーチューブチャンネル「草羽エル-El.Kusaha- 」で視聴できる。

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