コロナ感染者の累計1000万人 「すでに第7波」「一刻の猶予もない」
新型コロナウイルスの感染急拡大が止まらない。全国の1日当たりの新規感染者は先週の4~5万人台から今週は一気に9万人台にまで跳ね上がった。累計の感染者は2022年7月14日にも1000万人に達する見込みだ。政府の専門家分科会の動きも慌ただしくなってきた。
「5つの対策」
日本テレビは13日夜、独自ネタとして、14日に分科会が開かれ、「第7波に向けた緊急提言」が出ると報じた。骨子は以下。
・新たなオミクロン変異株であるBA.5の流行でこのまま感染拡大が継続すると、高齢者などを中心に入院患者や重症者、死亡者の数が増加する可能性がある。
・一方で、社会経済活動を徐々に再開しつつあるため、ただちに人々の行動や接触を抑えるような対策をとるのではなく、国や自治体は感染防止に向けた取り組みを支援する対策をこれまで以上に強化するべきだ。
具体的には「5つの対策」としてワクチン接種の加速化、検査のさらなる活用、効果的な換気の提言、国や自治体による効率的な医療機能の確保、基本的な感染対策の再点検と徹底などを挙げている。中でもワクチンについては、高齢者や基礎疾患のある人には4回目のすみやかな接種を推奨する、3回目の接種を行っていない人にはすみやかな接種を推奨する、などとしている。
日本テレビによると、政府は15日に感染症対策本部を開き、この提言をもとに新たな対策を決定することにしているという。
報じられた「緊急提言」には、「緊急事態宣言」や「まん延防止」という文言はないが、これまでよりも一歩踏み込む内容になっている。
河野太郎氏も感染
コロナの全国感染者は、6月は概ね1万人台だったが、同月28日に2万人台に。7月5日には3万人台、6日に4万人台、8日に5万人台になり、12日に7万人台、13日には9万4493人。厚労省によると、全国の新規感染者数は、12日までの1週間で前週の2.14倍に急増している。
第6波のピークは2月5日の10万5587人。すでにほぼ同水準に近づいている。
全国の累計感染者数は13日現在約991万人。死者は3万1501人。一両日中には累計感染者数が1000万人の大台に乗ると見られている。
11日に岸田文雄首相と面会した分科会の尾身茂会長は「すでに第7波」に入った、との認識を示している。
急拡大の要因になっているのは、オミクロン株の変異種「BA.5」だ。従来株よりも感染力が強く、ワクチンなどを突破する力も強いとされている。
河野太郎元ワクチン相も12日、コロナに感染したと報じられている。河野氏は、3月に3回目の接種を受けていたという。
東京は1日10万人超の恐れ
第7波で感染者はどこまで広がるのか――。
FNNによると、東京都医師会の猪口副会長は12日、これまでの増加比で逆算すると、都内の1日の感染者数が、「今月19日時点で、およそ3万人になる」との試算を明らかにした。
さらに、およそ2週間後の今月25日には、10万人を超える恐れがあるという。その上で、猪口副会長は、医療提供体制について、「(入院患者を)絞り込んでみていくようにしないと、多分、東京は乗り切れない」などと強い危機感を示した。
東京都の感染者は13日に1万6878人。前の週の同じ曜日よりも8000人以上増え、2日連続で1万人を超えた。
テレビ朝日によると、都は12日、全体の病床使用率が40%を超えたことを受け、都内医療機関のコロナ患者用の確保病床をおよそ5000床から7000床に引き上げた。
小池百合子都知事は「感染拡大を抑えるためには一刻の猶予もない」と危機感を示し、医療提供体制を第6波のピーク時と同じ水準に拡充し備える方針だという。